トランプ氏、米財務長官に投資家のベッセント氏指名、減税実現を優先

(米国)

ニューヨーク発

2024年11月26日

米国のドナルド・トランプ次期大統領は11月22日、財務長官に投資家のスコット・ベッセント氏を指名した。トランプ氏は指名発表に際して、ベッセント氏は「米国が世界をリードする経済大国、イノベーションと起業家精神の中心、投資の目的地としての地位を強化しながら、常に、そして疑う余地なく、ドルを世界の準備通貨として維持するという、新たな黄金時代の到来を支援する」と評した。

ベッセント氏は政策上の優先事項について、減税措置の恒久化、チップ、社会保障給付金、時間外手当に対する課税の撤廃など、トランプ氏の減税公約の実現だと述べたほか、新たな関税政策の導入と歳出削減にも重点的に取り組むとしている。また、安倍晋三元首相が提唱した「3本の矢」の経済政策に着想を得て、2028年までに財政赤字をGDPの3%に削減、規制緩和によってGDP成長率を3%へ押し上げ、原油を1日当たり300万バレル追加生産の「3-3-3」政策をトランプ氏に提案したという(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版11月25日)。

トランプ氏はまた、労働長官にロリ・チャベスデレマー下院議員(共和党、オレゴン州)、農務長官に保守系シンクタンク米国第一政策研究所(AFPI)所長のブルック・ロリンズ氏、住宅都市開発長官に元米プロフットボールリーグ(NFL)選手のスコット・ターナー氏、教育長官に元中小企業庁長官でAFPI理事長のリンダ・マクマホン氏を指名した。司法長官への指名を辞退したマット・ゲーツ氏の代わりには、元フロリダ州司法長官のパム・ボンディ氏を指名した。閣僚以外では、行政管理予算局(OMB)の局長に、トランプ政権1期目でもOMB局長を務めたラッセル・ボート氏、食品医薬品局(FDA)長官にジョンズ・ホプキンス大学外科教授のマーティ・マカリー氏、疾病予防管理センター(CDC)所長に元下院議員(共和党、フロリダ州)で医師のデーブ・ウェルドン氏を指名すると発表した。

(赤平大寿)

(米国)

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