トランプ氏、国境管理担当に米移民税関捜査局の前局長代理ホーマン氏を指名
(米国)
ニューヨーク発
2024年11月21日
米国のドナルド・トランプ次期大統領は11月10日、国境管理の統括担当者として、トム・ホーマン氏を指名した。トランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、ホーマン氏は南部国境、北部国境、全ての海上保安、航空保安を含む米国の国境を担当するとともに、不法滞在外国人の強制送還も担当すると発表した。
ホーマン氏はニューヨーク州で警察官を務めた後、1984年に米国国境警備隊に入隊した。捜査官から徐々に昇格し、2013年のオバマ政権下では、移民税関捜査局(ICE)のワシントン特別区本部の副長官に任命された。その後2017年から2018年まで、トランプ政権下でICEの局長代理を務めた。
ホーマン氏は不法移民対策に強硬な立場として知られ、ICE在籍中、雇用主が不法移民を雇わないようにするために、セブン‐イレブンをターゲットとして厳しく捜査し、「不法移民を故意に雇用した雇用主を起訴するだけでなく、不法滞在者を拘留し、排除する予定だ」と発言した。また、ICEの局長代理を退任後はフォックス・ニュースに幾度か出演し、トランプ氏の移民政策を支持する発言をしている。ホーマン氏はまた、保守派シンクタンクのヘリテージ財団の客員フェローとして、移民の大規模な強制送還プランを含む「プロジェクト2025」()の執筆に協力した1人でもある。
米主要メディアは、トランプ氏が次期大統領に就任後100日以内に、数十万人の移民の強制送還を開始する予定だと報じている。
(吉田奈津絵)
(米国)
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