10月のインド自動車販売、乗用車・二輪車とも過去最高を記録
(インド)
ベンガルール発
2024年11月20日
インド自動車工業会(SIAM)は11月13日、2024年10月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比1.1%増の34万5,107台で、6月以来のプラス成長となった(添付資料表1参照)。一般乗用車とバンの落ち込みを、UVの好調さが補った。なお、表1の数字には含まれていないが、地場タタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると39万3,238台に上る(注)。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比11.7%増の258万6,157台だった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「乗用車部門は、2023年10月が高水準だったにもかかわらず、前年同月比0.9%増の39万3,000台、二輪車部門も同14.2%増の216万4,000台と過去最高の販売台数を記録した」と発表。その要因として、「今年はインドの二大祭事であるダシェラとディワリが同じ月に重なったことが自動車業界の業績を大きく押し上げた」とコメントした。
メーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキが前年同月比5.0%減の15万9,591台で、次いで好転した現代が0.8%増の5万5,568台となった(添付資料表2参照)。高い成長率を記録したのが、地場マヒンドラ&マヒンドラとトヨタ・キルロスカで、それぞれ24.7%増の5万4,504台、37.0%増の2万8,117台だった。その他の日系メーカーでは、ホンダが41.0%減の5,546台、日産は21.2%増の3,119台で2024年初めて3,000台を超えた。なお、統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含めた4万8,131台で4位相当のもようだ(同社発表)。
車種別にみると、マルチ・スズキの乗用車は落ち込みが続いており、コンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など)は6万5,948台で前年同月比18.2%減だった。一方、コンパクトUV(「ブレッツァ」など)は3万4,195台で16.9%増、UV(「グランド・ビターラ」など)は3万2,868台で31.2%増となり、いずれも前月は前年同月比1桁増だったが、2桁増に伸びている。マヒンドラ&マヒンドラの、UV(「マラッゾ」など)は3万1,788台で38.4%増、コンパクトUV(「ボレロ」など)は2万2,716台で9.5%増だった。
二輪車販売は、前年同月比14.2%増の216万4,276台で引き続き好調だった(添付資料表1、表3参照)。メーカー別にみると、上位3社はヒーローが17.3%増の65万6,484台、ホンダが19.5%増の55万3,120台、TSVモーターが13.2%増の39万489台で堅調に推移した。スズキは24.5%増の10万4,940台で前月から好転し、ヤマハは11.2%増の7万5,349台だった。
(注)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体およびセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。
(大野真奈)
(インド)
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