香港金融サミット、業界トップら300人参加、世界経済について議論

(香港)

香港発

2024年11月27日

香港金融管理局(HKMA)が主催する「国際金融リーダー投資サミット」が11月18日から3日間の日程で開催された。「変局の中を進む」をテーマとする今回のサミットは、銀行や保険、証券など120以上の国際金融機関から約300人が参加した。うち100以上の金融機関からは、会長または最高経営責任者(CEO)が代表として参加した。

19日の基調講演で中国の何立峰副首相は「世界では前例のない変化が加速しており、不確実性が高まっているが、いかに外部環境が変わろうとも、われわれは自身の取り組みに注力し、変化に対して自己主張していくべき」と言及し、香港については「先進的な取り組みを進め、国際金融都市としての位置付けを強める必要がある」と、国際金融都市としての優位性の強化を促した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」11月20日)。

今回のサミットではグローバル経済や、地政学、技術イノベーション、気候変動に関する最近のトピックを中心に議論が行われた。このうち中国経済に関して、米国金融機関ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは、中国政府による対外開放政策を評価しつつ、過去5年間で資本を中国国外に出すことが難しくなっているとの投資家の懸念を指摘した。また、消費の改善が投資家の信頼を取り戻す上で重要との見解を示した。米国金融機関モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOは、消費者の信頼回復の重要性を指摘しつつ、時間がかかるだろうが明るい兆しが出ていると述べた。

HKMAの余偉文総裁は、何立峰副首相の参加と中国政府による香港の金融セクターの発展に対する継続的な支援に謝意を述べ、アジア太平洋地域のフラッグシップイベントとして、このサミットを毎年開催するとの意向を表明した。

(奥田岳慶)

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