S&P、コートジボワールの格付けをBB-からBBに引き上げ

(コートジボワール、南アフリカ共和国、ボツワナ、モーリシャス)

アビジャン発

2024年11月11日

スタンダード&プアーズ(S&P)・グローバル・レーティングは10月18日、コートジボワールの長期ソブリン債格付けを「BB-」から「BB」に引き上げ、格付け見通しを「安定的」とした。今回の格上げは、前回5月の見通しの引き上げ()に続くものとなる。

S&Pは、フランス語圏を中心に西アフリカ8カ国(注)が加盟する西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の中央銀行である西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)が2019年以降に実施した施策が、外的ショックが続く中、加盟国の経済を支えるとともに、資本市場へのアクセスや物価の安定と十分な外貨準備を可能にしたとして、コートジボワールをはじめ加盟各国の評価を改善した。

S&Pによると、特にコートジボワールでは、構造改革の進展に加えて、人口増加、石油やガス生産の増加、輸送能力の向上、サービス業や製造業への経済多角化により、GDP成長率が2019~2024年に平均5.6%、2024~2027年には6.6%になると予測している。また、対外赤字は、カカオ価格の上昇や石油・ガス生産の増加により、急速に縮小すると評価した。

財政赤字は、IMFの拡大クレジットファシリティと拡大信用供与措置プログラム(関連ブラック ジャック アプリ)導入により、政府が税収増加や支出抑制の取り組みを引き続き実施する見込みで、2022年のGDP比6.8%をピークに、2024年は4.2%、2025年は3%に改善される見通し。

債務は、コートジボワールの力強い経済成長と財政再建により、2023年GDP比58%から2027年には52%に改善されると見込んでいる。また、2024年1月のユーロ債発行により、債務の償還期間が延長されたことでコストが削減され、債務プロファイルが改善されたことに加えて、国際援助機関との強力な関係により、適切な資金調達や改革に必要なサポートが得られる点を評価した。

今回の格上げにより、コートジボワールは長期外貨建て格付けにおいて、南アフリカ共和国(BB-)を上回り(自国通貨建ては両国ともBB)、サブサハラ地域において、ボツワナ(BBB+)、モーリシャス(BBB-)に次ぐ評価を得た。2024年3月にコートジボワールの格付けを「Ba3」から「Ba2」に格上げしたムーディーズも、9月に実施したレビューにおいて、堅調な経済成長、相対的に強い財政基盤、UEMOA加盟国という安定感を評価し、「Ba2」を維持した。

(注)ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ。

(橘欣子、渡辺久美子)

(コートジボワール、南アフリカ共和国、ボツワナ、モーリシャス)

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