シュツットガルトで伝統ある水素展示会開催
(ドイツ)
ミュンヘン発
2024年10月23日
ドイツ・シュツットガルトで10月8~9日に「ハイ・エフセル(Hy-Fcell)」が開催された。Hy-Fcellは、2001年に初開催された燃料電池を中心とする国際カンファレンスに端を発しており、近年は展示会としても規模を拡大しつつある。2024年の展示会には前年比10%増となる189社が出展し、展示会とカンファレンスには合計で35カ国から3,000人が来場した。
ジェトロは今回のHy-Fcell展示会に広報ブースを設置し、水素関連の日本企業、先進的な取り組みを行っている日本の自治体、ジェトロのバイヤー招聘(しょうへい)事業の紹介などを行った。展示会には燃料電池や水電解に関連する素材や部品を提供するドイツを中心とするメーカーが多く出展したほか、水素を活用する側としては地元のダイムラー・トラックや、現代自動車とスイス企業の合弁企業であるヒュンダイ・ハイドロジェン・モビリティが大型の水素燃料電池トラックを出品した。また、シュツットガルトを州都とするバーデン・ビュルテンベルク州の水素クラスター、ドイツの応用技術研究機関であるフラウンホーファー研究機構、ドイツ機械工業連盟(VDMA)などの業界団体も出展した。
来場した日本企業からは、本展示会の特徴として、水素バリューチェーンの中で燃料電池や水電解の製造装置などに焦点が当たっていること、その分野の技術や工作機械のイノベーションが実際に見えること、展示会の規模は大きくないがバーデン・ビュルテンベルク州を中心にドイツ主要地域からの出展者がいることなどを挙げた。
展示会主催者は10月10日にHy-Fcellの一環として、バーデン・ビュルテンベルク州内の水素関連企業の訪問ツアーを実施した。ツアー参加者は、訪問先の1つである、シュツットガルト市に立地する自動車部品大手のマーレ(Mahle)では、トラック用の水素燃焼エンジンと燃料電池システムの開発実験を行っている施設や外部からトラックで供給を受けている水素の受け入れ設備を見学した。
(鷲澤純)
(ドイツ)
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