統一地方選挙、サンパウロ市長選は決選投票へ

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年10月15日

ブラジル全土で10月6日、5,569の自治体を対象に市長・市議会議員を選出する統一地方選挙が実施された。市長選挙では、どの候補者も過半数を獲得できなかった52都市で、10月27日に決選投票が実施される予定(注1)。

高等選挙裁判所(TSE)によると、サンパウロ市では、現職市長でブラジル民主運動党(MDB)所属のリカルド・ヌーネス氏の得票率が29.48%、社会主義自由党(PSOL)のギリェルメ・ボウロス氏が29.07%となり、決選投票が行われることになった。リオデジャネイロ市においては、現職市長で社会民主党(PSD)所属のエドワルド・パエス氏の得票率が60.47%で、当選を果たした。

今回の投票で、所属議員の市長当選が最も多かった政党はPSDで882人、次いでMDBが856人、進歩党(PP)が748人、ユニオン・ブラジル(União)が585人、自由党(PL)が512人だった。また、市議会議員選挙では、MDB所属議員の当選が最多で、次いでPP、PSD、União、PLの順となった(添付資料表1、2参照、注2)。

ブラジルを代表するシンクタンクおよび高等教育機関であるジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)のクラウディオ・コウト教授は、現地紙BBCブラジル(10月4日付)のインタビューで、今回の統一地方選挙が2026年に実施される下院議会選挙に影響を与える可能性を示唆した。コウト教授は「下院議員選挙では、地方レベルで強力なキャンペーンを実施できる候補者が有権者の支持を得やすい。同政党の市長や市議会議員の協力を確保した候補者が当然有利になる」と説明している。

(注1)決選投票は有権者数が20万人以上の都市で実施される。

(注2)10月8日付現地紙「エスタード」の社説によると、これらの5政党は中道から右派に位置する政党と分類される。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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