ブラック ジャック ストラテジーR
(ドイツ)
ベルリン発
2024年10月04日
ドイツのベルリンで9月10日から15日まで、全日本カレー工業協同組合と日本食レストランブラック ジャック ストラテジー普及推進機構(JRO)の主催により、日本のカレーをPRするベルリンカレーウイークが開催された。同イベントは2023年10月にデュッセルドルフでも開催され、ドイツでは2回目の実施だ。
今回のイベントは、ベルリン市内の日本食レストランの協力の下、日本式のカレーを消費者に紹介し、認知度を高め、市場を拡大することを目的とした。加えて、一過性のイベントにならないよう、参加希望レストランを対象としてフェア開催前に各カレーメーカーがプレゼンテーションや調理デモンストレーションを行うセミナーを実施し、メニュー開発のための情報を提供する機会や営業担当とのネットワーキングを行う機会が設けられた。
イベントには日系レストランだけではなく、ベルリンの現地系を含む20軒のレストランが参加しており、日本式のカレーが現地系レストランにも幅広く受け入れられている状況が見られた。また、各レストランが、カレーうどんやカレーラーメン、ビーガン需要の高まっているドイツならではの動物性原料を使用しないビーガン対応カレーといった、現地のニーズに合わせたメニューを開発。カレーウイークの期間のみ提供されるオリジナルメニューや、一日限定30食の特別メニューも提供された。
イベントに参加した現地系の日本食レストラン、ヤマ・レストラン・スシ&ラーメン(Yama Restaurant Sushi and Ramen)のオーナーのキエン・クォン・ダン(Kien Cuong Dang)氏は、「カレーウイークを境に、SNSのフォロワーが急増した」「お客さんに日本のカレーが大変好評だったため、メニューの定番化を検討している」と、今回のイベントの反響を語った。
農林水産省によると、2024年1~7月のドイツ向け日本産食品の輸出実績は、前年同期比44.4%増の約90億1,000万円と好調。特にカレー調整品は倍増し、2024年8月分を含めると約1億円となった。参加した店舗は一般消費者も利用しやすい価格帯のレストランであり、また、現地系のディストリビューターも日本式カレーに関心を持ちつつあることからも、本イベントをきっかけとしてドイツ人消費者へ日本式カレーが幅広く浸透していくことが期待される。
(川邉隼之介、西村明子、小菅宏幸)
(ドイツ)
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