欧州投資銀行、テック分野スタートアップの資本調達の支援強化へ

(EU)

ブリュッセル発

2024年10月15日

欧州投資銀行(EIB)グループは10月7日、EU域内の資本市場の統合を深化させるとともに、域内の資金を域内の成長投資に回すための新たな行動計画案に関して、ユーロ圏の財務相が歓迎したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。域内のスタートアップの多くは、スケールアップに向けた資金調達において困難に直面している。EIBの計画案は、ベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティー市場への支援を拡充することで、域内での資金調達における課題の解消を目指すものだ。

具体的には、2023年に立ち上げたテック分野のスタートアップ向けファンド「欧州テック・チャンピオン・イニシアチブ(ETCI)」(欧州投資銀行、カジノ 無料 ゲーム)を拡大するとともに、テック分野のスタートアップのレイター・ステージにおける売却や上場を支援する新たなファンド「エグジット・プラットフォーム(exit platform)」を設置する。なお、計画案の詳細は公表されておらず、今後、欧州委員会などとの協議の上、最終的に計画案を決定する予定だ。

EIBのナディア・カルビーニョ総裁は、EIB自体が既に資本市場同盟の枠組みをなしていると強調。今回の計画案は、域内の革新的なスタートアップが域内でスケールアップできるよう、資金をイノベーション創出などの成長投資にまわすためのものだと説明した。

EUでは、域内産業、特にテック分野での競争力低下が問題視されており(ドラギ前ECB総裁、ブラック)、その背景としては域内の資本市場の統合が不十分な結果、域内の資金が域内の成長投資に結び付いていないことが指摘されている(関連実写 版 ブラック ジャック)。こうした中で、欧州理事会(EU首脳会議)は今後5年間で、資本市場同盟の実現に向け統合を加速させるほか、EIBを活用する方針を打ち出している(EU首脳、ブラック ジャック)。

(吉沼啓介)

(EU)

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