ドイツ産業連盟とローランド・ベルガー、ドイツのイノベーションについての評価を発表

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2024年10月03日

ドイツ産業連盟(BDI)とコンサルティング企業ローランド・ベルガーは9月18日、世界35カ国のイノベーション創出力を測定したレポート(Innovation Indicator 2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。これは、「イノベーション創出の現状」「イノベーションの鍵となる技術の開発」「持続可能な経済活動」の3つの側面に焦点を当てたものだ。

ドイツの「イノベーション創出の現状」は他国と比較して低下が見られ、前年より2つ順位を落として12位になった。この結果に対して、ドイツは国際的に開かれたイノベーション環境の維持に努め、重点産業分野の研究開発への公的資金の投入を増やすべきとした。また、より多くの国内中小企業がイノベーションや新しい技術、グローバルなマーケティングを目指せるようにし、トップレベルの科学を振興することで特定分野において卓越した指標を打ち立てるべきとした。

「イノベーションの鍵となる技術の開発」では、ドイツは前年と同様に7位にランクインした。このうち、特に循環型経済技術で1位、先進製造技術で2位、エネルギー技術で3位と好成績を収めている。

「持続可能な経済活動」では、ドイツは前年同様に3位を獲得した。デンマーク、フィンランドに続いた。特に、持続可能な商品の輸出で非常に優れた成績を収めている。環境関連の研究開発への公的資金の投入、そしてグリーン分野の初期投資もハイスコアで、持続可能な経済活動において目立った弱点がないことが3位にランクインした理由だ。ただし、2010年から2020年にかけて大きくポイントを伸ばした後は変化がない状況だ。

なお、「イノベーションの鍵となる技術」ではシンガポール、デンマークに続いて日本が3位にランクインしているが、「イノベーション創出の現状」のカテゴリーにおいて日本は28位とスコアが低い。この理由として、研究開発活動、特許出願、ハイテクノロジーといった強みがあるにもかかわらず、国際的なネットワーキング、科学分野の実用化、人材不足、研究開発への公的資金の投入に難点が見られるとされた。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(ドイツ)

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