ユーロスター、スカイチームと覚書締結、域内鉄道旅客輸送を推進へ

(EU、欧州)

ブリュッセル発

2024年10月10日

欧州大陸と英国を結ぶ高速鉄道を運行するユーロスターは925日、国際航空企業連合の「スカイチーム」と覚書(MoU)を締結した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同合意により、航空と鉄道を組み合わせたスムーズな乗り継ぎが可能となる。

スカイチームは、エールフランスやKLMオランダ航空、英国のヴァージン・アトランティック航空、米国デルタ航空などを含む20社が加盟する航空連合だ。今回の合意により、旅行者はアムステルダム(スキポール空港)や、パリ(シャルル・ド・ゴール空港)、ロンドン(ヒースロー空港)といったスカイチームの主要ハブ空港に到着後、ユーロスターに乗り継いで目的地まで移動することができ、これを1件の旅程として予約することが可能となる。

EUでは、持続可能なスマートモビリティー戦略(2020年12月11日記事参照)に基づき、鉄道輸送などの利用拡大により、2030年までに域内で500キロ以内の定期運行の旅客輸送の脱炭素化などを目指している(2021年5月17日付地域・分析レポート参照)。同政策に呼応して、域内の鉄道旅客輸送推進の動きも進んでいる。例として、フランスでは2023年に、鉄道を利用して2時間半未満で移動できる区間での国内短距離航空便の運航が禁止された。また、欧州の長距離列車を運行するユーロピアン・スリーパーは、ウインタースポーツのハイシーズンに合わせて、期間限定(202523月)でブリュッセル発ベネチア行きの夜行列車の運行や、アムステルダム発ベルリン経由プラハ行きの夜行列車を運行する。同社はアムステルダム発バルセロナ行きの新路線も計画している。

(大中登紀子)

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