公文式がバングラデシュ展開7周年、自学自習の定着狙う
(バングラデシュ)
ダッカ発
2024年10月09日
バングラデシュで公文式を展開する地場NGOのブラック(BRAC)は、バングラデシュでの事業開始7周年を祝し、9月29日にダッカ市内でイベントを開催した。イベントでは、公文式学習を通じて、バングラデシュの子供たちの挑戦する心を培い、将来を築く一助となっていることが紹介された。イベントには、岩間公典駐バングラデシュ大使や国際協力機構(JICA)、ジェトロ、ダッカ日本人会などからの代表者が参加した。
ブラックは2017年、ブラック公文(BRAC Kumon、以下BKL)としてダッカ市内のウットラとダンモンディに2つの直営教室を設立。その後、フランチャイズ方式で18教室を追加し、現在、計20教室をダッカ市内で展開している。BKLはフランチャイズ方式を展開する中で女性による起業を推奨し、フランチャイズ展開する18教室のすべてが女性起業家による運営だ。2024年内には、ダッカ以外では初の展開となる南東部チョットグラムでも教室を開業する予定だ。
また、これら教室展開とは別に、CSR(企業の社会的責任)活動を通じ、企業や団体と連携する事例も生まれている。住友商事が開発・運営し、日本・バングラデシュ両政府が支援するバングラデシュ経済特区(BSEZ)と提携し、BSEZの近隣の小学校で公文式学習を導入している。BSEZは、将来の優れた技能を有する就労者育成も視野に、近隣のコミュニティーへの支援を通じて、コミュニティー作りへの貢献につなげたい考えだ。さらには、ストリートチルドレンを支援する日系NGOのエクマットラ・ソサイエティ(Ekmattra Society)と連携し、同NGOが運営するアカデミーで公文式学習を導入している。
公文式はバングラデシュにおいて、自学自習の習慣を身に付け、学習に対する意欲を高めることに貢献している。BKLのネハル・ビン・ハサン最高業務責任者(CBO)は「2030年までに100教室を展開することを目指す」と話した。
(イスラット・ジャハン、安藤裕二)
(バングラデシュ)
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