金違法採掘への政府対応めぐる全国ストライキを中止

(ガーナ)

アクラ発

2024年10月15日

ガーナ労働組合連合(The Trades Union Congress)は、2024年10月10日に予定していたガーナ政府の金違法採掘への対応に対する全国ストライキおよび抗議デモを中止した。ナナ・アクフォ=アド大統領が10月9日に、違法採掘(ガラムゼイ、注)に対する政府の対応強化についての声明を発表したことを受けての判断だ。

大統領は、「汚染された河川に軍隊を派遣し、水域内および周辺での採掘活動を直ちに停止させる」とガーナ軍主導での取り締まり強化を表明し、「違法採掘に対する法的措置を強化するため、すでに4つの専用裁判所が設立されている」と法的措置の強化についても述べた。ガーナ労働組合連合はこれらの対応を評価し、ストライキの中止を決定した。

違法採掘は河川や森林、土壌を汚染し、環境被害、経済損失を引き起こすとして近年、大きな問題となっている。特に土壌汚染は、ガーナ主要産業であるカカオ生産に深刻な影響を与えている。今回の全国ストライキは回避されたが、一部の労働組合はストライキの実施を明言。また、9月9月にはアクラで違法採掘に対するデモンストレーション(抗議活動)が3日間にわたり実施され50人以上の参加者が拘束されており、引き続き政府の違法採掘への対応措置については注視する必要がある。

(注)「ガラムゼイ」は、英語の「Gather and Sell」から派生したとされているガーナの表現で、違法採掘を指す単語として使われる。

(中川翼)

(ガーナ)

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