9月の自動車国内販売台数、53カ月ぶり低水準に落ち込む
(タイ)
バンコク発
2024年10月31日
タイ工業連盟(FTI)は10月24日、9月の自動車生産台数が前年同月比25.5%減の12万2,277台だったと発表した(添付資料表参照)。今回の発表によると、9月の部門別では、乗用車が前年同月比12.8%減の5万685台、開放式の荷台がある小型貨物自動車・ピックアップトラックなどの商用車が32.4%減の7万1,592台だった。自動車生産台数全体の71.7%を占める輸出向けは15.8%減の8万7,666台、国内販売向けは42.3%減の3万4,611台だった。
2024年1~9月累計の自動車生産台数は、前年同期比18.6%減の112万8,026台だった。部門別では、乗用車が11.3%減の42万6,719台、ピックアップトラックなどの商用車が22.5%減の70万1,307台。また、輸出向けが4.4%減の77万4,175台、国内販売向けが38.6%減の35万3,851台だった。
国内販売台数では、家計債務上昇に伴う自動車ローンの審査厳格化により、9月は前年同月比37.1%減の3万9,048台で、53カ月ぶりの低水準となった。1~9月累計は前年同期比25.3%減の43万8,659台だった。
企業の動向をみると、中国メーカー(注1)はバッテリー式電気自動車(BEV)を中心に、2024年に入っても販売の攻勢を強めており、1~8月累計の乗用車販売シェアは19.9%、2023年通年では17.1%だった。他方、日本メーカーのシェアは1~8月累計では63.0%で、2023年通年では67.0%だった(添付資料図1参照、注2)。
商用車販売シェアでは、1~8月累計の中国メーカーは4.6%、2023年通年では7.1%だった。日本メーカーのシェアは1~8月累計で84.6%、2023年では84.2%だった(添付資料図2参照)。自動車全体の総販売シェアをみると、中国メーカーの1~8月累計は11.9%、2023年通年では10.9%だった。日本メーカーの1~8月累計は76.2%、2023年通年は77.8%だった(添付資料図3参照)。
9月の完成車の輸出台数は前年同月比17.7%減の8万254台、その輸出額は15.4%減の約529億バーツ(約2,381億円、1バーツ=約4.5円)だった。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は11.9%減の約749億バーツだった。1~9月累計では、完成車の輸出台数が前年同期比6.5%減の76万8,887台、輸出額は2.6%増の約5,331億バーツ。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は3.2%増の約7,249億バーツだった。
(注1)中国企業には、長城汽車(GWM)や上海汽車(MG)、哪吒汽車(NETA)、BYDなどが含まれる。
(注2)国内販売台数に占めるブランド別のシェアは、本稿執筆時点(出所:タイ国トヨタ)で入手可能だった2024年1~8月のデータに基づいて作成している。
(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)
(タイ)
ビジネス短信 556a88b756052eee