CEATEC2024でUAE起業・中小企業担当相が日・UAE企業の協業に期待

10月15～18日に幕張メッセ（千葉市）で開催されたデジタルイノベーションをテーマとする展示会「CEATEC 2024」の機をとらえ、同会場で10月17日、アラブ首長国連邦（UAE）のデジタル変革（DX）について紹介するセッション「UAEのDXインフラ」が開催された。

セッションの冒頭で、UAEの起業・中小企業担当相を務めるアリア・アブダッラー・アール・マズルーイ氏が登壇した。マズルーイ氏は、UAEが持続可能な経済成長を達成するためイノベーション分野を重視していると述べ、投資家にとって魅力的なビジネス環境を創出するために法改正などの施策を講じ、中小企業やスタートアップ企業の育成にも貢献しているとした。日本企業に対しては、特にDXとイノベーション分野において、UAEが提供する多くの機会やインセンティブをぜひ検討してほしいと呼びかけた。

同セッションには、シハーブ・アフマド・アル・ファヒーム駐日アラブ首長国連邦大使のほか、アブダビ首長国で800以上の政府サービスを提供するアプリおよびプラットフォームを運営するTAMMや、UAEのヘルスケア関連スタートアップnutralis、アブダビの政府系アクセラレーション施設Hub71に入居している英国発スタートアップのsydが登壇し、UAEのDXに関する取り組みや自社のサービスについて紹介した。

また、展示会場にはUAEパビリオンも設けられ、主催者によればUAEから17社・団体が出展した。セッションに登壇したスタートアップ企業3社のほか、拡張現実（AR）技術の分野からはAR Engineeringが、AR技術を活用したエンジニア向けの教育・トレーニングサービスを紹介した。同社は米国の航空機製造大手ボーイングからのベンチャー支援を受けており、航空宇宙やエネルギー分野などの業界向けにサービスを提供している。AI分野では、Hub71に入居する日系スタートアップのbitgrit（2024年8月7日付地域・分析レポート参照）が、Web3.0（注）技術を活用したAIマーケットプレイスなどを紹介したほか、Falcon Roboticsが業務のDXと効率化向上のためのAI・ロボティクスソリューションについて展示を行った。UAEパビリオンにはマズルーイ大臣が訪れ、出展者の説明に耳を傾けた。

（注）ブロックチェーン上で暗号資産などのトークンを媒体として、「価値の共創・保有・交換」を行う経済を指す。

（久保田夏帆）