グジャラート(GJ)州政府、「繊維政策2024」を発表
(インド)
アーメダバード発
2024年10月23日
インド西部のグジャラート(GJ)州政府は10月15日、州内繊維産業のさらなる発展を図るため、「グジャラート繊維政策(Gujarat Textile Policy)2024」を発表した。繊維産業のさまざまな分野を対象に補助金などの支援策を用意するとともに、女性の雇用促進や女性の受託自助グループ(注)に対する支援を重視していることが特徴だ。
具体的には、(1)衣料品、縫製品、テクニカルテキスタイルや、(2)織物、編物、染色、繊維加工、ねん糸、紡績、刺しゅうといった分野を対象に、立地に応じて下記支援策を用意している。特に立地としては、後進性の高い地域を優遇した内容となっている(詳細は添付資料参照)。支援策は次のとおり。
- 資本補助金:設備投資の10~35%〔最大4億~10億ルピー(約7億2,000万~18億円、1ルピー=約1.8円)〕
- 利子補助金:借入金に対して5~7%(5~8年間、最大で設備投資の2~3%/年)
- 電力補助金:1キロワット時(kWh)当たり1ルピー(生産開始日から5年間)
- 給与支援:女性従業員で3,000~5,000ルピー/月、男性従業員で2,000~4,000ルピー/月(5年間)
- 受託自助グループに対する支援:1人当たり5,000ルピー/月(3カ月間)の訓練支援および売上高の25%の給与支援(1人当たり最大5,000ルピー/月、5年間)
繊維産業は伝統的にGJ州の主要産業であり、アーメダバードはかつて、繊維産業で栄えた英国の都市にちなみ「東洋のマンチェスター」と呼ばれた。GJ州政府は繊維産業の雇用創出を促進するため、2012年および2019年に繊維政策を導入してきた。また、GJ州南部ナブサリ近郊のジャラルポールに繊維分野の新規工業団地を設置する計画が進んでいる。日本企業としては、JUKIが2024年7月にアーメダバード郊外のマンダル工業団地にて工業用ミシンの製造を開始している。
(注)農村部や貧困地域の女性を中心に結成され、互いに助け合いながら収入向上や生活改善を目指す活動。
(吉田雄)
(インド)
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