UAE中銀、2024年のGDP成長率予測を4.0%に上方修正

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2024年10月07日

アラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)は9月25日、四半期経済レビューを発表した。

石油部門の業績改善が見込まれ、2024年のGDP成長率予測を従来の3.9%から4.0%に上方修正し、2025年の成長率は6.0%に上昇すると予想した。ただし、この予測には、地政学リスクや高金利の長期化による世界経済の減速、OPECプラス(注)での生産減などを今後の下振れリスクの要因とも発表している。

同レビューによると、2024年最初の8カ月間の石油生産量は日量平均290万バレルで、前年同期比1.8%減だった。2024年末までこの水準で推移すると予想されている。2024年の年初から8月までの実績と9月のOPECプラス総会での生産決定に基づき、炭化水素部門のGDPは2024年に0.7%成長、2025年には7.7%の成長が見込まれている。

また、2024年第1四半期(1~3月)の非炭化水素部門のGDP成長率は前年同期比4.0%で、前期比6.7%から減速した。これは主に金融・保険サービス、不動産、建設、製造業の成長鈍化によるものだとされている。しかし、非炭化水素部門のGDP成長率は2024年に5.2%、2025年に5.3%と、引き続き堅調に推移すると予想され、外国投資誘致の加速や規制緩和、税制改革など現在進行中の構造改革が寄与することが期待されている。

(注)OPEC加盟国のイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国の12カ国と、非加盟の産油国のアゼルバイジャン、バーレーン、ブラジル、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダンの11カ国で構成。

(清水美香)

(アラブ首長国連邦)

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