英政府、医療機器の市販後調査に関する規制強化へ法案提出
(英国)
ロンドン発
2024年10月23日
英国政府は10月22日、医療機器の市販後調査(PMS)に関する法案を議会に提出したと発表した。この法案は医療機器規制の枠組み改革の一環として、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が主導するもので、議会での審議を経て、2025年夏に施行の見込みとされている。また、政府は議会での審議が完了した段階で、製造業者向けのガイダンスを公表するとしている。
議会に今回提出された法案の主な内容は次のとおり。
- データの収集方法など、市販後調査に含めるべき内容の詳細。
- 安全問題の早期発見のため、製造業者に対する重大事故の報告義務の強化。
- さらなる重大事故の発生防止、またはリスク低減を目的とし、製造業者に対する市場安全性是正措置(Field Safety Corrective Action)の実施にかかる義務を明確化。市場安全性通知(Field Safety Notice)に関する詳細な要件についても規定。
- インプラント型医療機器なども含め、製造業者に対し、定期的なPMSデータレビューのより厳格な実施を要求。
医療機器規制の改革については、次の施策も挙げている(英国政府ウェブサイト参照)。
- 特定の「医療機器としてのソフトウエア(Software as a medical device)」のクラス格上げなど、一部の医療機器について分類を変更。
- 国際承認の枠組みの導入。
- 臨床試験に関する新要件の導入。
- 人工知能(AI)を含む「医療機器としてのソフトウエア」に対するサイバーセキュリティーなどの、グレートブリテン(イングランド、ウェールズ、スコットランド)に上市される医療機器の必須要件について、EUの要件とのさらなる整合を図る。
(松丸晴香)
(英国)
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