英国、スイスとのFTA交渉を再開、カジノ ブラック ジャック
(英国、スイス)
ロンドン発
2024年10月17日
英国政府は10月14日、スイスとの自由貿易協定(FTA)強化に向けた交渉を再開した。労働党新政権は7月に湾岸協力会議(GCC、注1)やインドを含む国々とのFTA交渉再開を表明しており、今回の交渉再開はその一環(2024年7月31日記事参照)。今回の交渉により、新たな両国間のFTAには、サービスおよび投資に関する詳細な項目が初めて盛り込まれる見込み。
現在の英国とスイスの貿易協定は、主に1972年に締結されたEU・スイス間の協定に基づいており、デジタル貿易やデータフローに関する領域はカバーされていない。しかし、2021年に英国からスイスに輸出された全サービスの約80%がデジタルで提供されており、既存の協定の改定が計画されていた。
英国国家統計局(ONS)によると、英国にとってスイスは第10位の貿易相手国であり、2023年の両国間の物品およびサービスの貿易総額は約510億ポンド(約9兆9,450億円、1ポンド=約195円)に達する。2023年の英国の対スイス輸出総額は312億ポンド(物品129億ポンド、サービス183億ポンド)。物品貿易で品目別にみると、主要輸出品目は医薬品、アート作品、道路走行車両となっている(注2)。一方で、英国の対スイス輸入総額は196億ポンド(物品93億ポンド、サービス103億ポンド)で、主要輸入品目は医薬品、写真・光学用品・時計、非鉄金属があげられる。
両国間の貿易のうち300億ポンド近くをサービス貿易が占めているにもかかわらず、現行の貿易協定は主に物品を対象としている。英国政府は両国間のFTAを強化することによって、英国とスイスの企業に互いの市場へのアクセスを保証するとともに、双方向の投資とサービス貿易が促進されることを期待している。
(注)バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が加盟する地域協力会議。
(注2)主要品目は輸出入ともに2023年第2四半期から2024年第1四半期までの4四半期ベース。
(松丸晴香)
(英国、スイス)
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