8月の正規雇用者数は前年同月比2.5%増

(ペルー)

リマ発

2024年10月21日

ペルー中央準備銀行が10月10日に発表した8月の全国の民間部門の正規雇用者数は前年同月比2.5%増だった。2024年3月に1.2%減となったが、それ以降5カ月連続で増加し、前年同期比では幅広い産業分野で労働市場の改善が続いていることが示されるかたちとなった。

8月の正規雇用者総数は421万7,000人で、前年同月と比べ10万4,000人(2.5%)の増加だった。産業分野別に見ると、サービス業の増加が最も多くて6万1,000人(3.0%)増、次いで商業の1万4,000人(2.0%)増、建設業の1万2,000人(5.7%)増の順となっている。鉱業や製造業でも改善がみられる一方、エルニーニョ現象や物価高の影響を受けた農業は1万7,000人(3.7%)の減少、水産業は3,000人(15.4%)の減少だった。

また、ペルーのGDP全体の4割以上を占めるリマ首都圏の2024年6~8月の雇用者数は、前年同期比4.6%増だった。企業規模を問わずに増加し、従業員数が1~10人の企業で5.2%増、11~50人の企業で2.9%増、51人以上の企業で4.1%増だった。年齢別に見ると、14~24歳で2.6%減と落ち込む一方で、25~44歳で3.1%増、45歳以上で9.4%増で、年齢層が上がるほど増加率が高い。人口の約6割を40歳以下が占めるペルーで若年層の雇用に課題が残る。

なお、リマ首都圏の直近の雇用者数の動向を見ると、2024年5~7月の547万6,000人をピークに、6~8月は546万8,000人にやや減少に転じており、労働市場の改善傾向が頭打ちになっている可能性がある。

(石田達也)

(ペルー)

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