モロッコ国鉄(ONCF)、高速鉄道延伸工事で入札結果を発表

(モロッコ)

ラバト発

2024年10月22日

モロッコ国鉄(ONCF)は10月3日、ケニトラ~マラケシュ間の高速鉄道延伸工事などの入札結果を発表した。今回入札対象となったのは分岐器関連施設工事で、高速鉄道用はドイツのフォスロー・コギファー(Vossloh Cogife)が7,762万ディルハム(約11億7,288万円、1ディルハム=約15.1円)で落札し、在来鉄道用は中鉄山橋集団(CRSBG)が2,634万ディルハムで落札した。なお、入札には中鉄宝橋集団(CRHIC)も参加していた。

現在、高速鉄道はタンジェ~カサブランカ間では大西洋岸沿いの在来線を使って運行されている。地元メディアは、今回途中駅のケニトラからラバトおよびアグダル駅経由で在来線に沿うかたちで国際観光都市マラケシュまで新線を延伸させるもようだと報じており、この新線により、ケニトラ~マラケシュ間の所要時間は現在の4時間30分から1時間45分に短縮されるとしている。

新線の敷設で、マラケシュへの観光、ビジネスアクセスが大幅に改善されるともに、駅周辺地域の経済活性化の役割も期待されている。

2030年のスペイン、ポルトガルなどとのサッカーワールドカップ共同開催を念頭に、政府は国を挙げてインフラなど整備、改善に着手しており、ONCFは本新線をワールドカップ前に運用開始させたい考えで、地元メディアは引き続き関連施設工事の追加入札が行われるものとみている。

(本田雅英)

(モロッコ)

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