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(マレーシア)
クアラルンプール発
2024年10月01日
マレーシアのペナン州政府は9月28日、同州バヤンレパス工業団地の半径5キロ圏内に所在する集積回路(IC)設計関連企業を対象とした投資優遇策「ペナン・シリコン・デザイン@5km+」を発表した(同州投資誘致機関インベスト・ペナンのリリース)。政策実行を監督するガバナンス体制を確立するとともに、3年間にわたって対象企業に年間最大200万リンギ(約7,000万円、1リンギ=約35円)の補助金を供与する。州内には現在、マレーシア国内最多28社の国内外IC設計企業が所在するが、より多くの企業を誘致したい考え。
「ペナン・シリコン・デザイン@5km+」では、包括的なIC設計エコシステムを構築すべく、3つの主要プロジェクトを実施する。具体的には次のとおり。
- ペナンICデザイン&デジタル・パーク:IC設計や研究開発(R&D)向けに、約100万平方フィート(約9万2,900平方メートル)のプレミアム・オフィス・スペースを提供。
- ペナン・チップ・デザイン・アカデミー:ペナン技能開発センター(PSDC)内で、エンジニアの技能向上と再教育を目的とした包括的なIC設計人材育成プログラムを提供。
- シリコン・リサーチ・インキュベーション・スペース:最先端の設備、コンサル機能、研究機能を備え、国内外のIC設計スタートアップや中小企業のためのワンストップセンターを2024年末までに開設。同スペース開発の第1期段階では、3万6,000平方フィートの敷地に、国内外のIC設計企業最大8社、エンジニア300人以上を受け入れる。
「ペナン州が戦略的投資を引きつけ続ける中、高付加価値活動に対応できる支援施設を設立する必要がある」とチョー・コンヨウ州首相は指摘した。
機器使用や人材育成に補助、IC企業の誘致強化
「ペナン・シリコン・デザイン@5km+」には、今後5年間で1億2,000万リンギを要するが、州政府が半額の6,000万リンギを支出し、残りは10月の国会に提出される2025年国家予算案や、政府の中期国家計画「第13次マレーシア計画」で連邦政府に負担を求めたい考えだ。連邦政府からの資金確保を条件に、同施策の下でペナン州は、国内外IC設計企業に対し、年間最大200万リンギの補助金を3年間供与する計画だ。具体的には、州政府保有物件の賃料や公益費、駐車場使用料、共有インキュベーションスペースや州政府運営施設での機器使用、上記2.のアカデミーを通じた人材育成のそれぞれについて、最大100%補助する。
今回の発表式典に出席したゴビンド・シン・デオデジタル相は「デジタル経済成長のまさに中心にあるのがデジタル技術の動力源であるICだ」「今回のイニシアチブは、国家半導体戦略(2024年6月13日記事参照)を成功させ、ペナン州の電気・電子産業エコシステムを強化する方向性とも一致する」として、取り組みを評価した。
(吾郷伊都子)
(マレーシア)
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