中南米を代表する電子商取引企業、模倣品対策年次会合を実施

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年10月15日

中南米を代表する電子商取引(EC)および決済プラットフォーマーであるメルカドリブレは10月4日、ブラジル本社(サンパウロ州オザスコ市)で「Anti-Counterfeiting Day(模倣品対策デー)」と呼ばれる模倣品に対する取り組みの共有を目的とした年次会合を実施した。同会合は、メルカドリブレ模倣品対策アライアンス(MACA:Mercado Libre Anti-Counterfeiting Alliance)の活動の一環として、2023年から開催されたもので、2回目となる今回は、ブラジルスポーツ産業・商業協会(ÁPICE)と共催で実施され、MACA加盟企業および代理人、ブラジルの知的財産エンフォースメント機関、日本・米国・EU・英国の政府関係機関などが参加した。メルカドリブレは、中南米域内を中心にECマーケットプレイスを展開するアルゼンチン発祥の企業で、ウルグアイのモンテビデオ市にグループ本社を置いている。

MACAは、メルカドリブレにおける知的財産保護の強化を目的とした企業アライアンスだ。メルカドリブレのBrand Protection Program(ブランド保護プログラム、注)への参加企業のうち、同社が模倣品や海賊版の削除依頼実績などの条件を満たしていると判断した出品企業のみがMACAに加盟できる。MACAでは模倣品や海賊版に対する新たな対策実施などの活動を行っている。現在の加盟企業数は26社で、そのうち3社は日本企業だ。

今回の年次会合では、「知的財産エンフォースメントにおける連携戦略」「模倣品対策における新たな課題」をテーマにパネルディスカッションが行われ、大規模なプラットフォームと権利者のパートナーシップが重要であること、公的機関と連携できるようなデータの収集・提供・処理が必要であることなどの発言がパネリストからあった。今回の会合には、知的財産保護・海賊版撲滅議員連盟のリーダーであるジュリオ・ロペス下院議員も出席し、あいさつの中で知的財産保護の重要性について語った。

MACAの活動は2年前に始まったばかりだが、中南米を代表するECマーケットプレイスを有するメルカドリブレを通じて、インターネット上の模倣品や海賊版に対する対策の進展普及が期待される。

写真 イベント会場(ブラック ジャック サイト撮影)

イベント会場(ジェトロ撮影)

写真 イベントの様子(ブラック ジャック サイト撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(注)Brand Protection Programは、メルカドリブレのプラットフォーム上にある知的財産権を侵害する出品に対して、権利者などが削除依頼できる機能を提供する、権利者などの知的財産保護の取り組みを支援するプログラム。また、同社のプラットフォームは、同プログラムからの削除依頼のデータで学習させたAIを活用した、知的財産権を侵害する出品の自動検知・削除機能も提供している。

(安田勇太、ヘナート・郡司)

(ブラジル)

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