9月のCPI上昇率は政策金利を下回る

(トルコ)

イスタンブール発

2024年10月15日

トルコ統計機構(TUIK)が10月3日に発表した9月の消費者物価指数(CPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)上昇率は、前月比2.97%、前年同月比49.38%だった。前年同月比では、2021年以来初めて政策金利を下回ったが、市場予測の48.3%(前月比2.2%)を上回っている(9月30日付ロイター)。トルコ中央銀行のファティヒ・カラハン総裁は、前月比での「恒久的かつ顕著な減速」と「インフレ期待が中銀予想の範囲内に収まるまで」、まだある程度の距離が残っているとし、金融引き締めの維持は継続すると述べた。

CPIを前月比でみると、食品・非アルコール飲料が非加工食品に牽引され2.48%の上昇となった。耐久消費財は1.82%の上昇にとどまったが、衣料品・靴は3.63%と伸びている。また、サービス部門は、9月の新学期開始に伴い、教育費、交通費、不動産賃貸といった関連物価の上昇が著しく、全体で4.90%の上昇となった。

TUIKの発表と同じ日に発表された、独立調査機関ENAグループの調査結果によると、9月のCPIは前月比5.34%、前年同月比88.63%の上昇とされ、政府発表からは乖離している。また、イスタンブール商業会議所(ITO)が10月1日に発表したイスタンブール市の9月の小売物価上昇率は、前月比3.90%と高水準にあり、前年同月比では59.18%の上昇だった。

9月の国内生産者物価指数(D-PPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)上昇率は前月比1.37%、前年同月比では33.09%だった。

トルコ中央銀行は、9月19日の金融政策決定会合で政策金利を6会合連続で50%に据え置き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、「必要であれば追加利上げを行う」との文言を削除し、11月にも利下げを行うことが予測されていた。しかし、今回のインフレ結果を受けて、早期利下げは2025年にずれ込むのではないか、との見解もみられる。

(中島敏博)

(トルコ)

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