米GM、ブラジルでのフレックスハイブリッド車生産に55億レアル投資
(ブラジル、米国)
サンパウロ発
2024年09月12日
米国自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)は9月4日、ブラジル・サンパウロ州でのフレックスハイブリッド車(注1)の生産に向け、55億レアル(約1,375億円、1レアル=約25円)を投資すると発表した。今回の投資は、2024年初に発表した同年から2028年にかけて計画している総額70億レアルの投資パッケージの一部(ブラック クイーン ブラック)で、サンパウロ州内の工場でフレックスハイブリッドエンジンの開発、製品ラインアップの刷新、工場の近代化などに充当することを明らかにした。
今回の投資の背景には、ブラジルの自動車市場の電動化シフトがある。GMはバッテリー式電気自動車(BEV)に加え、エタノールとガソリンを混合したフレックス燃料に対応するハイブリッド車を投入することで、多様なニーズに応え、市場での競争力を強化する狙いだ。
GMのサンティアゴ・チャモロ南米担当社長は「ブラジルでのフレックスハイブリッド車の生産は、自動車業界を強化し、バイオ燃料と電動化の利点を組み合わせることで、脱炭素化へのコミットメントを再確認するものだ」と述べている。GMは、フレックスハイブリッド車の生産を通じて、環境負荷を低減しながら顧客のニーズに応える革新的なソリューションを提供し、持続可能なモビリティー社会の実現に貢献していく考えだ。
ブラジルはGMにとって、フレックスハイブリッド技術を投入する世界初の市場となる。「フォーリャ」誌の記事によると、GMのロリー・ハーベイ・エグゼクティブバイスプレジデント兼グローバル市場担当社長は「(フレックスハイブリッド車は)当社の内燃機関や電気自動車のポートフォリオを補完するものだ」と述べ、将来的には他の市場への展開も視野に入れていることを示唆した。
GMは、2025年からサンカエターノ・ド・スル工場で2車種のフレックスマイルドハイブリッド車(注2)の生産を開始する予定だ。将来的にはフレックスプラグインハイブリッド車(フレックスPHEV)の投入も検討し、研究を続けているとしている。さらに、2025年以降、BEVのラインアップも拡大する計画だ。
今回の投資は、2025年にブラジル進出100周年を迎えるGMのブラジル事業にとっても大きな転換点だ。電動化を加速させ、持続可能なモビリティー社会の実現に向けて、大きく前進することが期待される。
(注1)フレックスハイブリッド車の場合、内燃機関はガソリンとエタノールとの組み合わせで走行できる。
(注2)小型の電気モーターとバッテリーを搭載し、主にエンジンの補助として機能するハイブリッド車のこと。
(中山貴弘)
(ブラジル、米国)
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