ラオス、トランプ ゲーム ブラック ジャック

(ラオス)

ビエンチャン発

2024年09月30日

ラオス農林省は9月6日付で「森林カーボン管理に関する農林大臣合意4565号」を発布した。本合意は、2050年までのネットゼロ達成のためにラオスの森林回復や植林を奨励し、グリーンで持続的な開発のための直接的・間接的な資金調達を目指すものだ(注1)。2024年10月29日から施行される。

本合意では、トランプ ゲーム ブラック ジャック(1)パリ協定6条2項(注2)などに貢献するためのラオス政府と2国間・多国間の開発パートナーの協力事業(第11条)と、(2)政府と民間企業、コミュニティーなどからの共同出資による森林カーボンクレジットの創出事業(第12条)の2つに分類した(注3)。同分野へ投資したい企業は、ラオスで企業登録された会社であることに加え、農林省から森林カーボン売買事業ライセンスを取得する必要がある。また、コンサルタント事業では別途、コンサルタント事業ライセンスの取得が必要(第13条)。

カーボン事業の申請方法は、初めに農林省森林局と事業者は12カ月間の可能性調査(注4)に関する協力覚書(MOU)を締結し、その際、対象森林が30万ヘクタール以上では3万ドル、30万ヘクタール未満では1万5,000ドルの保証金を支払う必要がある。その後、報告書を農林省へ提出し、合意覚書(MOA)を締結することで、トランプ ゲーム ブラック ジャック正式に開始できる(第15条)。なお、鉱山開発などのコンセッション契約とは異なり、森林カーボン事業は森林そのものの開発権を得るわけではない点に注意が必要。このため、対象森林内でクレジット創出に影響を与えないエコツアーなどのビジネスが、別途実施されることがあるとしている(第12条)。

事業者は、期間を通して国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)やボランタリー市場の基準(注5)に準じたカーボン蓄積量などのモニタリングを行い(第6条、20条)、事業を通して対象森林周辺に暮らすコミュニティーの参加を必要としている(第25条)。

なお、ラオス天然資源環境省は、カーボンクレジットに関する包括的な法律となる政府令を近く発布する予定。

写真 ラオス北部の景観(ジェトロ撮影)

ラオス北部の景観(ジェトロ撮影)

(注1)ラオスでは、森林減少・劣化防止による排出量削減を達成した途上国政府に対して支払いを行うフレームワーク(REDD+)として知られる。ラオスの国家REDD+戦略では、2025年までに森林のGHG排出量を3,000万トンCO2e削減することを目標としている。

(注2)6条2項では、参加国が自主的に協力するプロジェクトを通じて、温室効果ガスの削減を目指す。国際的に移転される削減成果(ITMO)の使用が含まれ、日本が提案して実施している2国間クレジット制度(JCM)が含まれる。

(注3)森林局REDD+課によると、ラオスの全森林面積約1,650万ヘクタールのうち、森林カーボン事業は2国間・多国間開発パートナーとの協力事業は964万ヘクタールと森林全体の59%を占める。一方、民間企業との共同事業は15のMOUが締結され、636万ヘクタール、38%を占める。うち3事業でMOAが調印済み(2024年8月末時点)。

(注4)対象とする森林や周辺の衛星画像や実施調査、社会経済状況などの分析、リスク評価、財務分析、法律、環境社会影響評価などを行うこと(第16条)。可能性調査はさらに12カ月間の延長が可能。

(注5)ここでは特定の機関を明示していないが、ボランタリー市場ではVerra、Gold StandardやART-TREESなどが想定されている(9月27日、ラオス天然資源環境省気候変動局への聞き取り)。

(山田健一郎)

(ラオス)

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