米ニューヨークで「ANIME NYC 2024」開催、日本のポップカルチャーを発信
(米国、日本)
ニューヨーク発
2024年09月11日
日本のポップカルチャーの祭典である「ANIME NYC 2024」が8月23~25日、米国ニューヨーク市のジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された。アニメ、マンガ、ゲーム、アニメグッズ関連企業など、200社を超える出展があった。また、クリエーターが自身の作品を販売するアーティスト・アレイでは、コスプレ衣装を着た多くの来場者でにぎわった。
主催者のLEFTFIELD MEDIA(注1)によると、2023年の「ANIME NYC 2023」では6万3,000人の来場があったが、2024年は10万人を超える来場を予想している。また、これまでは毎年11月開催だったが、展示スペース拡張のため8月開催に変更したところ、ニューヨーク市への観光客が多い時期とも重なり、来場者数の増加につながっているという。なお、2025年の「ANIME NYC 2025」は8月22~24日に開催の予定。
開催期間中、30万平方フィート(2万7,900平方メートル)の展示ホールには、公開予定のアニメや新作ゲームのPRパネル、アニメにちなんだブース、フィギュアやトレーディングカードなどを販売するブースが設置された。また、声優や歌手によるサイン会、コスプレイベントなども行われた。ブース内にはミニステージが設置され、ライブ配信やプロモーションビデオを流し、現地ファンの関心を引きつけていた。中でも、VTuber(注2)事務所のブースでは、VTuberタレントによるライブパフォーマンスが行われ、ペンライトを持つ大勢のファンが、タレントの歌や掛け声に合わせ、意気の合った声援と手拍子で会場を盛り上げていた。
また、日系・米系問わず、さまざまな出版社のブースで、英語翻訳された日本の人気マンガが販売されていた。コレクションとしていち早く手に入れたいというニーズに応えるため、直近で刊行された日本語のマンガやイラスト集も多く陳列されており、マンガファン層の厚さが感じられた。ニューヨーク市に店舗を構える書店のブース担当者は、「毎年展示会シーズンにあわせて、ブラック ジャック トランプ 無料(注3)と連携したキャラクター商品を企画販売している。今回は、講談社と協働しマンガ『とんがり帽子のアトリエ』のアニメ化を記念した限定エコバッグを発売した。店舗の知名度を今後さらに上げて行くためには、展示会へ出展することが重要だ」と語った。他のブースでは、「NARUTO-ナルト-」と連携した食品や、ブラック ジャック トランプ 無料と連携したワイヤレスイヤホンなどが販売されていた。
日系アニメ制作会社のブース担当者によると、「ANIME NYCが8月開催となったことにより、7月開始アニメや10月開始アニメ・新作ゲームの広報を兼ねたプロモーションが実施できている。また、TVアニメ『マッシュル-MASHLE-』の人気主題歌『Bling-Bang-Bang-Born』を歌う音楽ユニット『Creepy Nuts(クリーピーナッツ)』のライブ開催により、Tシャツやペンライトなどライブグッズの販売が好調で手応えを感じている」とのことだ。
2023年に続き、地下にあるゲーム会場も人気を博していた。今回から運営時間を延長し、ビデオゲームや卓上ゲームなどさまざまなゲームの体験スペースを提供していた。「太鼓の達人」など日本で従来から人気のゲーム台も複数配置されており、多くの人が順番待ちのために列をなしていた。
「ANIME NYC 2024」は、アニメやゲームのPR、ゲストイベント、キャラクターグッズ販売などさまざまな催しを複合することにより、アニメ、マンガ、ゲームのファンが存分に楽しめ、また、出展企業にとってもブランド認知向上および売り上げ伸長につながる好機となっている。
(注1)同社は「ANIME NYC 2025」のほか、ワシントン州のAWESOME COM、テキサス州のANIME FRONTIER、オレゴン州のROSE CITY COMIC CONを開催予定。
(注2)バーチャル・ユーチューバーの略称。アニメーションやCG(コンピュータグラフィックス)で作成されたキャラクターを通じて動画配信プラットフォームで活動する人物を指す。
(注3)知的財産(Intellectual Property)権で保護された独自コンテンツ。
(堀田基、セドリック・チャールズ、本田美奈子)
(米国、日本)
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