米MIT、日本企業との蓄電コンクリートの社会実装共同プロブラック ジャック アプリクト開始
(米国、日本)
ニューヨーク発
2024年09月26日
米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)は9月16日、蓄電コンクリートの社会実装プロブラック ジャック アプリクトのコンソーシアム(EC³-Hub)開始を記念するイベントをマサチューセッツ州ケンブリッジで開催した。日本からは2024年4月に同コンソーシアムをMITとともに設立することを発表した會澤高圧コンクリート(本社:北海道苫小牧市)が参加した。
蓄電コンクリートは、MITの研究によって発見された「電子伝導性炭素セメント材料(EC³:electron-conducting carbon-cement material)」という技術を活用したもので、炭素の微粒子であるカーボンブラックをコンクリートに添加することで、自己加熱や蓄電の機能を持たせることができるという。住宅や道路といったインフラなどでの利用が期待され、今後は同コンソーシアムを通じて、社会実装に向けた取り組みが進められる。また、コンソーシアムでは住宅、再生可能エネルギー、建築、モビリティーなどの業界からの参加も募っていく考えだ。
イベントでは、會澤高圧コンクリートの代表取締役社長の會澤祥弘氏や、MITの研究者らが講演を行った。會澤社長は、同社の祖業のコンクリートを軸に、ひび割れが発生しても自動的に修復する「自己治癒コンクリート」など、これまで積極的に最先端技術を取り込んできた同社の事例を紹介した上で、今回の蓄電コンクリートの社会実装に向けた意気込みを示した。
セメントを主成分とする現在のコンクリートは、強靭(きょうじん)性、耐久性、コスト面からバランスの取れた材料の一方、セメント由来の二酸化炭素(CO2)排出量が全世界の同排出量の8%を占めるという。今後、世界的な都市化の進展による建造物の増加に伴い、コンクリート需要がさらに高まる地域が出てくる中、脱炭素社会の実現に向けて同コンソーシアムを通じた蓄電コンクリートの社会実装に期待が高まっている。
(平本諒太)
(米国、日本)
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