豊田通商傘下のエオラス、初の再エネ事業をチュニジアで開始
(チュニジア)
パリ発
2024年09月27日
チュニジア産業・鉱山・エネルギー省は9月18日、同国南部中央部のシディ・ブジッド県とトズール県での合計100メガワット(MW)の太陽光発電所建設に関し、フランスのエオラス(AEOLUS)、ノルウェーのスカテック(SCATEC)と2件の契約を締結した。翌19日には2基の発電所の起工式が行われた。両県でそれぞれ50MWの太陽光発電所を建設・所有・運営、電力を販売する独立系発電事業(IPP事業)を計画する。総費用は7,900万ユーロ(約2億6,070万チュニジア・ディナールに相当)とされ、欧州復興開発銀行(EBRD)、フランス経済協力振興投資会社(Proparco)からのプロジェクトファイナンスによる融資を受け、多数国間投資保証機関(MIGA)と政治リスク保険の投資保証契約を締結した上で、エオラスが49%、スカテックが51%を出資する。完工後はチュニジア電力・ガス公社(STEG)との20年間契約に基づいて売電を行う。運転開始は2025年後半から予定されている。
エオラスは、アフリカで再生可能エネルギー事業を推進することを目的に、豊田通商のいずれも100%子会社のユーラスエナジーホールディングスとフランスのセーファーオー(CFAO)が50%ずつ出資し、2024年3月にフランスに設立された。今回の計画はエオラス初の事業となる。
ワエル・シュシャン・エネルギー移行担当相は9月18日の協定調印式で「チュニジアは、2030年までに発電量の35%を再生可能エネルギーで賄い、2050年までに50%を達成し、二酸化炭素(CO2)排出量を2035年までに46%削減する目標を掲げているが、再生可能エネルギーの導入率は6月末時点で5.6%にとどまっている。この遅れを埋め合わせるため、合計1,700MWの再生可能エネルギーによる発電量の2024年から2027年までの開発計画に関する3件の入札が開始された」と発表した。産業・鉱山・エネルギー省は2018年、シディ・ブジッド(50MW)、トズール(50MW)、ケルアン(100MW)、ガフサ(100MW)、タタウィン(200MW)の計500MWの太陽光発電所設置に係る国際入札を行い、今回の発電所建設はこの一環となる。ケルアンはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点とするアメア・パワー、ガフサはフランス・エンジーとモロッコ・ナレバ、タタウィンはスカテックがそれぞれ落札している。
(渡辺智子)
(チュニジア)
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