カナダの第2四半期GDP成長率、前期比年率2.1%
(カナダ)
トロント発
2024年09月02日
カナダ統計局が8月30日に発表した2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前期比年率2.1%で、3四半期連続のプラス成長となった。2024年第1四半期(1~3月)の成長率は、5月発表の1.7%(関連ブラック ジャック やり方)から1.8%に上方修正された。
統計局は、政府最終消費支出や企業の土木構造物・機械設備投資、家計のサービス支出増加がGDPの伸びを押し上げたが、輸出や住宅投資、家計の財支出の減少が伸びを鈍化させたと説明した。
各成長の背景として、政府支出は、政府全体の労働時間増加に起因した公務員給与支出が増加したことにより、1.5%増加した。企業の土木構造物・機械設備投資は、航空機や船舶の輸入が増加したことにより、6.5%増加した。家計支出は、住宅の賃貸料や食費、電気代の支出が増加した一方、新車のトラックやバン、スポーツ用多目的車(SUV)に対する支出が減少したことなどにより、第1四半期の0.9%増から、第2四半期は0.2%増と伸びが鈍化した。
減少の背景として、財・サービスの輸出では、未加工の金、銀、白金族金属、乗用車・小型トラック、石油精製エネルギー製品の輸出が減少したものの、原油とビチューメン(歴青、注)の輸出が増加したため、輸出の減少幅は縮小し、0.4%減となった。輸入は、産業機械・設備・部品、商業サービス、石油精製エネルギー製品の輸入が減少したが、乗用車と小型トラックの輸入増加によって一部相殺され、0.1%減だった。
住宅投資は、オンタリオ州を中心に一戸建て住宅とアパートメントの工事が減少したことにより、1.9%減少し、2023年第1四半期以来の大幅な落ち込みとなった。
統計局の発表を受け、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト兼マネジングディレクターのダグラス・ポーター氏は「第2四半期に2%以上の成長率を記録したことは確かに喜ばしい」としつつも、「成長率は政府支出に大きく依存しており、1人当たり(の名目GDP)で見ると、依然として低下している」と分析し、次回9月の中央銀行の会合でも「3回連続の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが予想される」とコメントしている(BMOエコノミックファクツ8月30日)。
中銀の次回の政策金利発表は9月4日に予定されている。
(注)ビチューメンとは、天然に産する炭化水素類、あるいはそれらを含む非金属誘導体などの混合物の総称。
(幡野裕一)
(カナダ)
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