BMWとトヨタ、水素燃料電池システム関連の連携強化発表
(ドイツ、日本)
ミュンヘン発
2024年09月18日
ドイツ自動車大手BMWグループと日本のトヨタ自動車は9月5日、燃料電池車(FCEV)向け第3世代燃料電池システムの共同開発に関する基本合意書(MOU)を締結した。BMWは、両社が共同開発した燃料電池システムを搭載したBMWのFCEVを2028年に量産開始する。トヨタも同技術を使ったFCEVモデルを提供する予定だ。
今回の連携強化は、BMWグループとトヨタが2011年12月に結んだMOUに基づいている。MOUの一環として、両社が水素燃料電池分野を含む環境関連技術やスポーツカーの共同開発を行っていた。両社は燃料電池システムの共同開発のほか、共同でFCEV向け充填(じゅうてん)インフラの整備を推し進める計画も明らかにした。これに必要な水素の需要を喚起し、供給安定やコスト削減を実現するため、水素を製造・供給する事業者と協力していく。
なお、BMWは最初のFCEVモデルの「BMW iX5 Hydrogen」を4年かけて開発し、2023年2月に燃料電池を搭載したパイロットフリートの公道走行実験を行った。同年9月には福岡市中央区でも初めて日本での公道走行実験を実施している(BMW、日本で初めて燃料電池車の公道走行実験、ギャンブル)。同社は2028年の量産開始後、既存モデルのFCEV搭載型も提供する予定。BMWは、FCEV、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの多数の選択肢の提供により、脱炭素化に貢献できるとする信念をトヨタと共有しているとした。
ドイツエネルギー機構(dena)によると、2023年のドイツ国内のFCEV新規登録台数は前年比70.4%減の263台と大幅に減少し、FCEVの市場シェアは0.1%未満だった。ドイツ連邦自動車局(KBA)の統計では、2024年上半期(1~6月)のFCEVの国内新規登録台数は62台で、前年同期比60.3%減となった。うちトヨタは57台、韓国の現代自動車は5台を占めた。2023年上半期のFCEVの新規登録台数は156台だった(添付資料表1、2参照)。
(クラウディア・トーディ)
(ドイツ、日本)
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