米FRBの利下げを受けてバイデン大統領、トランプ前大統領がコメント
(米国)
ニューヨーク発
2024年09月24日
米国連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ決定(9月18日)(米FRB、政策金利の誘導目標を0)を受け、ジョー・バイデン大統領、ドナルド・トランプ前大統領らがコメントを発している。
バイデン大統領は9月19日、首都ワシントンのエコノミック・クラブで講演し、任期中に自身が行ってきた経済政策の成果に触れる中で今般の利下げについて言及した。バイデン氏は、「利下げ開始は住宅や自動車、その他多くのものを購入するコストが下がることを意味しており、消費者にとって良いニュースだ」として、今回の利下げが、現政権が重視する生活者のコスト削減につながることへの期待を示した。また、連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見においてジェローム・パウエル議長が示した見解と同様に、今回の利下げ決定はインフレに対する勝利宣言ではないとしながらも、「進歩の宣言であり、経済と回復が新たな段階に入ったという宣言である。この進歩を認識し、企業は投資、雇用、ビジネス拡大に、個人は家や新車を購入し、家族を持ち、新しいビジネスを始めることに自信を持つべき時だ」として意識の転換を呼びかけた。
実際に、FRBによる利下げを受けて、各種金利も低下している。米国連邦住宅金融抵当公庫(フレディマック)が9月19日に発表した30年物固定住宅ローン金利は6.09%と、2023年2月以来の水準まで低下している。2024年大統領選挙において、住宅コストはインフレの中で最も注目を集めるテーマとなっており、カマラ・ハリス副大統領も11月の大統領選挙に向けての自身の経済政策の柱の1つとして住宅コストの削減を掲げている(関連オンライン カジノ ブラック)。こうしたことから、ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏が「一連の利下げの始まりとなる今回の利下げは、ハリス陣営にとって経済的な追い風となることは間違いない」と述べている(ワシントン・ポスト9月18日)ように、直接的なコスト削減となり得る金利の低下はハリス氏にとって追い風となる可能性がある。
一方、トランプ前大統領は9月18日、ニューヨーク市のビットコインバーを訪問した際に、「FRBの利下げ決定は、経済が非常に悪いか、彼らが政治的駆け引きをしているかのどちらかだろう。これは大幅な利下げだった」と述べた(議会専門誌ザ・ヒル9月18日)ほか、9月19日のニュースマックスのインタビューでも、「これは本当に政治的な動きだ。ほとんどの人はその半分になると思っていたし、おそらくそれが正しい判断だっただろう」と述べ(CNBCニュース9月19日)、0.5ポイントと積極的な利下げに踏み切ったFRBを批判した。トランプ前大統領は、これまでもFRBによる金融政策について、大統領が発言権を持つべきである旨を度々主張している。今回の決定を機に、FRBの独立性についてさらに注目が集まる可能性がありそうだ。
(加藤翔一)
(米国)
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