政策金利を9%に引き上げ、インフレ抑制目指す

(バングラデシュ)

ダッカ発

2024年09月04日

バングラデシュ銀行(中央銀行)は8月25日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、9%とした。7月単月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比11.66%と記録的な高さとなり、物価上昇を抑制するために政策金利の引き上げに踏み切った。

バングラデシュでは、7月に公務員採用の優先枠を巡って学生デモ隊と治安当局の衝突が発生、外出禁止令などが発出され、サプライチェーンなどが混乱して、物価上昇に拍車がかかった。報道によると、中銀のモンズール・ホサイン総裁は、今後2カ月程度で政策金利を10%まで引き上げる可能性にも言及した(「デーリー・スター」紙8月25日)。政策金利が上昇すれば市中銀行による貸し出しレートも上昇するため、現地日本企業にとっても銀行融資を利用する際にコスト高になる。

また、通貨タカの為替レートについては、5月以降は1ドル当たり117タカを基軸に、118タカ程度までを上限として許容していたが、中銀が8月下旬から120タカ程度まで引き上げ、ドルに対してタカが下がっている。29日時点で中銀の公定レートは1ドル120タカとなっている。タカの切り下げは国外にいる労働者からの郷里送金の受け入れにも効果的に働き、8月は20日までの郷里送金額が前年同期比36%増と伝えている(「ビジネス・スタンダード」紙8月22日)。

今後も矢継ぎ早に金融政策を実施することで、中銀はマクロ経済の安定化を急ぐことにしている。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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