イスラエル中銀、政策金利を4.5%に据え置き、5会合連続

(イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2024年09月09日

イスラエル中央銀行は8月28日、金融委員会会合で政策金利を4.5%に据え置くことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。5会合連続の据え置きとなる。同委員会は、イスラエルとハマスの衝突開始以来、特にここ数カ月は地政学的不確実性とその経済的影響が増大していると指摘した。

2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前期比年率1.2%と鈍化した。7月の消費者物価指数(CPI)は前月比で0.6%上昇し、前年同月比は3.2%上昇と目標範囲の上限をわずかに上回った。この上昇は主に非貿易財の価格上昇を反映している。

中銀のアミール・ヤロン総裁はイスラエルの現地紙「グローブス」のインタビューで、「利下げは2025年後半まで行われない可能性がある」と述べた(8月29日)。

前回7月8日の金融政策決定以降、通貨シェケルは対ドルでは横ばいだが、対ユーロでは約3%、名目実効為替レートでは1.4%下落したとしている。

過去12カ月の財政赤字額は7月も増加を続け、GDP比8.1%に達した。国防予算に予期せぬ追加支出が行われない限り、2024年末には6.6%になると予想している。

労働市場では、戦争の影響による供給制限があり、これが労働市場の逼迫の一因となっていると指摘した。広義の失業率の緩やかな低下は続いており、6月の3.7%から7月は3.3%に低下した。

なお、大手格付け会社フィッチ・レーティングスは8月12日、パレスチナ自治区ガザでの戦争の継続や、地政学的リスクの高まりを受けて、イスラエルの信用格付けを「A+」から「A」に引き下げている。

次回の政策金利決定は10月9日に公表される。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(アンナ・ジュコブ、中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ)

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