OPECの世界石油見通し、石油需要は2050年に2023年比18%増と予測
(世界、中東、アフリカ、インド)
調査部中東アフリカ課
2024年09月30日
OPECは9月24日、2024年版の「世界石油見通し」(World Oil Outlook)を発表し、2050年の世界の石油需要は2023年から18.0%増加して、日量1億2,010万バレルとなると予測した(OPECプレスリリース)。2045年の石油需要は日量1億1,890万バレルと予測しており、前年の予測から290万バレル引き上げた。
OPECは、2023年から2050年にかけて世界の人口が96億人(16億人の増加)に、GDPは358兆ドル(2.2倍)になると予測した上で、2050年には一次エネルギーの需要が24%増加するとした。このようなエネルギー需要の増加は、OECD非加盟国によって牽引されるとしている。2050年のエネルギー需要の地域別内訳は、OECD非加盟国のシェアが71.5%となり、2023年から7.1ポイント上昇する一方で、OECD加盟国は2023年から7.1ポイント減少し、28.5%となる見込みだ。
エネルギー需要をエネルギー源(注)別にみると、2023年から2050年にかけて石炭を除くすべてのエネルギー源で需要が増加しており、最も予測増加量が大きいのは、主に風力と太陽光から構成されるその他再生可能エネルギー(石油換算で日量4,290万バレル増)だ。次いで天然ガス(同2,050万バレル増)、石油(同1,670万バレル増)となった。また、同予測期間を通じて、石油はエネルギーミックスで最も高いシェアを維持し、2050年には29.3%のシェアを占めるとしている。
石油需要については、2023年から2050年にかけてOECD加盟国で22.1%減少する一方、OECD非加盟国で49.5%の増加が見込まれている。最も需要の伸びが大きいのがインドで日量800万バレル増(2.5倍)、次いでその他のアジア地域(同520万バレル増)、中東、アフリカ(いずれも同440万バレル増)となった。産業分野別にみると、石油化学、道路輸送、航空分野で大きな需要増加が見られるとしている。
道路輸送については、同予測期間を通じて世界の自動車台数が17億台から29億台まで増加し、そのうち電気自動車(EV)の増加が16.9倍と最も大きい(2050年に6億9,200万台)としながらも、内燃機関(エンジン)搭載車は2050年においても世界の自動車の70%以上を占めると予測している。
(注)石油、石炭、天然ガス、原子力、水素、バイオマス、その他再生可能エネルギーの7種類に分類されている。
(久保田夏帆)
(世界、中東、アフリカ、インド)
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