牛肉、豚肉、ブラック クイーン ブラック ジャック
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2024年08月13日
アルゼンチン政府は8月6日、政令697/2024号を公布し、牛肉、豚肉、乳製品(注1)の輸出税を撤廃した。
牛肉については部分的な撤廃となり、肉牛のカテゴリーによって輸出税の有無が決定される。すなわち、食肉処理を行う際に歯数4本以上の雌牛(Vaca)に分類される肉牛については、輸出税が課されない。
乳製品については、輸出税を2025年6月30日まで無税とする措置が、政令506/2023号および同政令を改正する政令により導入済みだったが、今回、同措置の期限が撤廃され、完全に無税となった(注2)。
経済省農牧水産庁によると、2023年にこれらのカテゴリーで徴収された輸出税は7,000万ドル超に達するが、今回の措置により、そのうちの25%が削減されることになる。
政府は、ブラック クイーン ブラック ジャック無税とする措置が、同製品の輸出増加に寄与したと評価しており、輸出の促進に向けて引き下げ対象品目を拡大したかたちとなる。ハビエル・ミレイ大統領は2024年7月28日、国内最大の畜産見本市「エクスポ・ルラル2024」において、外貨の稼ぎ頭であり、自身の支持層でもある農牧セクターに向けて輸出税を撤廃すると発言していた。
なおミレイ政権は、2023年末に失効したメルコスール域外向けに輸出される完成自動車に課税される輸出税の免税措置も、2024年7月19日に公布した政令641/2024号により再導入している。
(注1)広義の乳製品ではなく、HSコードの上4桁が0401~0406に分類される品目(ミルク・クリーム、バターミルク、ホエイ、バター、チーズ)を指す。
(注2)政令506/2023号および同政令の改正は、乳製品以外にも糖類、穀物の調製食料品、アイスクリーム、非アルコール飲料、カゼイン、アルブミンが対象となっており、これら品目についても、輸出税が撤廃された。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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