トヨタ、MH州に新工場設立の検討を発表
(インド)
ムンバイ発
2024年08月09日
トヨタ自動車のインド法人トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)は7月31日、西部マハーラーシュトラ(MH)州政府との間で、チャトラパティ・サンバジナガール(旧オーランガバード、注)に新工場設立する検討する覚書を締結した。現地報道によると、投資額は2,000億ルピー(約3,600億円、1ルピー=約1.8円)に上り、新たに1万6,000人の雇用が創出されるという(「タイムズ・オブ・インディア」紙、「ビジネス・スタンダード」紙7月31日)。
TKMは南部カルナータカ州ビダディに2つの工場を有しているほか、2026年の操業を目指して同地に第3工場建設を予定している(関連オンライン ブラック ジャック)。今回の覚書締結により、インドにおける4番目の製造拠点設立が西部MH州で検討されることになる。
MH州は自動車産業の一大クラスターとして、フォルクスワーゲン(ドイツ)、メルセデス・ベンツ(ドイツ)、アウディ(ドイツ)、シュコダ・オート(チェコ)、フィアット(イタリア)、現代自動車(韓国)などの外資のほか、地場のタタ・モーターズ、タタ傘下のジャガー・ランドローバー(JLR)、マヒンドラ&マヒンドラなど多くの自動車メーカーが集積しているが、これまで日系四輪車メーカーの進出はなかった。今後、TKMがMH州に進出することを決定すれば、新たにTKMを中心とした日系企業のエコシステムが誕生する可能性がある。
(注)2022年にオーランガバードから現在の地名に変更。州都ムンバイから東北東約350キロメートル、工業都市プネからは北東約250キロメートルのデカン高原に位置し、デリー・ムンバイ産業大動脈計画(DMIC)に基づき、質の高い工業地域の開発が進められている。また現在、ムンバイとの間を結ぶ高速道路の建設が進められており、今後、州都とのアクセスがさらに向上することが見込まれる。
(篠田正大)
(インド)
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