7月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.5%上昇
(カナダ)
トロント発
2024年08月22日
カナダ統計局が8月20日に発表した2024年7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.5%上昇となり、6月の上昇率(2.7%、関連ブラック ジャック ルール)を0.2ポイント下回った(添付資料表参照)。カナダでは2024年1月以降、CPI上昇率は2%台で推移している。
統計局は、上昇率鈍化の主な要因として、旅行関連サービス価格(2.8%減)、乗用車価格(1.4%減)、電気料金の安定を挙げた。旅行関連サービス価格は、6月(7.4%増)とは反対に下落となったが、これは新型コロナウイルス感染症に関連した行動制限のない最初の夏となった2023年7月の旅行ツアー価格が、前月比で15.5%上昇したことによる基準年効果だ。同様に、旅行者向け宿泊料金(3.7%減)および航空輸送料金(2.7%減)も下落している。
乗用車価格も、6月(0.4%減)に続き下落となったが、これは新車価格の伸びが鈍化したことが影響した。
一方、ガソリン価格は前年同月比1.9%上昇と、6月(0.4%上昇)に比べて伸びが高まった。統計局は、米国中西部での製油所の閉鎖に伴う供給減少が一因と指摘している。
発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、クレア・ファン氏およびアビー・シュウ氏は、コアインフレ指標が鈍化し、物価上昇圧力の範囲が引き続き正常化していることなどから「(カナダ経済は)2019年の新型コロナウイルス禍前の水準に近い」とし、「中央銀行が2024年中にさらなる利下げを実施するハードルは低く、次回9月の会合でも25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが実施されると見ている」とコメントしている(RBC経済アップデート8月20日)。
中銀の次回の政策金利発表は9月4日に予定されている。
(幡野裕一)
(カナダ)
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