アルゼンチン外務省、ブラック ジャック ブラック クイーン
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2024年08月20日
アルゼンチン外務省は8月12日、外国大使館や投資家を対象とした「大型投資奨励制度(RIGI)」に関するセミナーを開催した。ジェトロも8月14日、進出日系企業を対象に、同制度に関するセミナーを開催した。
大型投資奨励制度(RIGI)は、7月8日に公布された「アルゼンチン人の自由のための基盤および出発点に関する法律」(通称:オムニバス法または基盤法、2024年7月2日記事参照)により導入された新しい投資優遇措置だ。林業、観光業、インフラ、鉱業、テクノロジー、製鉄、エネルギー、石油・ガスの分野に2億ドル以上の大型投資を伴うプロジェクトを対象に、税制、関税、外国為替に関する優遇措置を投資家に付与する。法律は施行されたものの、同制度の詳細は施行規則の公布を待たなければならない。法律の発効から30日以内に施行規則を公布するとしているが、8月16日現在、公布されていない。
ディアナ・モンディーノ外相は外務省主催のセミナーで、RIGIが質の高い雇用を新たに創出する可能性を主張した。同じくセミナーに登壇したパブロ・キルノ経済副大臣(金融担当)は、RIGIは富の創出者である民間部門が経済で優位な役割を果たすための基盤を整えるというハビエル・ミレイ政権の取り組みの一環であり、RIGIの優遇措置は将来、経済全体が享受すべき条件を先取りしているものだとした。また、RIGIにより経済の好循環を生み出し、それが持続的な財政収支の黒字につながると述べた。
ジェトロのセミナーでは、ベッカー・バレラ法律事務所がRIGIについて解説した。RIGIの概要は添付資料のとおり。
RIGIの適用を受けたプロジェクトは国家の利益と見なされ、国家の利益に反する連邦政府または地方政府の規制や措置は無効となると規定されているが、法律は地方自治体に対して各自治体の法律によってRIGIを批准するよう呼びかけている。各州の対応状況をみると、8月16日現在、リオ・ネグロ州、フフイ州、メンドサ州、チュブット州、サン・フアン州の5州がRIGIを批准済みだ。
7月9日にミレイ大統領との5月協定への締結に応じなかったブエノスアイレス州、ラ・パンパ州、フォルモサ州、ラ・リオハ州、ティエラ・デル・フエゴ州、サンタ・クルス州の6州の中には、RIGIの批准に応じない州が複数あるとみられる。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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