首相辞任後のダッカ市中に軍配備、一部操業を様子見の企業も
(バングラデシュ)
ダッカ発
2024年08月07日
バングラデシュのシェイク・ハシナ首相の辞任()後の暫定政権発足を主導する国軍は、前政権が発出した外出禁止令を8月6日午前6時に解除した。これにより、政府機関や民間企業なども業務再開が可能となった。
そのため、8月6日は工場の操業を再開する日系企業が多い一方、非製造業では在宅勤務や自宅待機を行う企業も多く、治安状況を注視する動きが目立った。
首都ダッカ市内で大使館が多く立地するバリダラ地区や商業地区グルシャンは6日午前中の人通りが通常より大幅に少なく、要所に警備のため国軍部隊が配備されていた。通常は警察が配置されている場所に警察官の姿はなく、中心地グルシャン2サークルでは警備会社が自発的に交通整理を行っていた。グルシャン2にあるスーパーマーケットは通常より営業時間を短縮しており、買い物客は少ないが、商品は豊富に販売されていた。
暫定政権の発足に向け、6日にはバングラデシュ議会も解散された。また、ハシナ政権下で政治犯として有罪となっていた、野党・バングラデシュ民族主義党(BNP)のカレダ・ジア党首(第9・11代首相)が同日に自宅軟禁から解放された。BNPは7日、ダッカ市内で集会を行うと発表しており、政党による政治活動が活発化する可能性がある。
警察官の配置が行われない期間は特に治安情勢に注意し、在留者は不要不急の外出を避けるなど安全対策を徹底する必要がある。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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