商務部、アンチモン関連品目に対する輸出規制発表、9月15日から実施

中国の商務部と税関総署は8月15日、輸出管理法、対外貿易法、税関法の規定に基づき、国家の安全と利益を守るため、一部のアンチモンと超硬材料の関連品目に対して、輸出管理を実施するとの公告を発表した。9月15日から実施する。

公告では、アンチモン、超硬材料の関連品目のうち、特定の特性を満たす品目について、無許可の輸出を禁止するとした（品目の詳細は添付資料表参照）。輸出事業者はこれらの品目を輸出するに当たって、省レベルの商務主管部門を通じて商務部に申請を行い、その審査・承認を経て「両用品目、技術輸出許可証」を取得する必要がある（注）。

商務部の報道官は8月15日に微信（WeChat）の公式アカウントで、今回の輸出規制は国際的慣行や自国のニーズに基づくものと解説した。また、関連する政策は特定の国や地域を対象としたものではなく、関連規定にのっとっていれば輸出は許可されるとの見解を示した。さらに、中国政府は世界の平和と周辺地域の安定を断固として守り、世界の産業チェーンとサプライチェーンの安全性を確保し、コンプライアンスにのっとった貿易の発展を促進しているとした。いかなる国や地域が中国の規制品目を使用し、中国の国家主権や安全保障、発展利益を損なう活動に参加することに中国は反対するとも述べた。

アンチモンは合金や半導体、太陽電池、鉛蓄電池などの分野で用いられる鉱物資源で、中国が世界で主要生産国となっている。

なお、中国は2023年8月1日からガリウムとゲルマニウムの関連品目、2023年12月1日から一部の黒鉛品目に対して、輸出管理を実施している（商務部、ブラック ジャック、商務部、ブラック クイーン参照）。

（注）手続きの詳細については、ジェトロの調査レポート「最近の輸出管理法の運用動向（2023年9月時点）(404KB)」を参照。

（亀山達也）