米グーグル、テキサス州のデータセンターに10億ドル超を投資
(米国)
ヒューストン発
2024年08月21日
グーグルは8月15日、テキサス州ダラス近郊にあるエリス郡ミドロシアンと、同郡レッドオークにある同社のデータセンター2カ所に、10億ドル超を投資すると発表した。クラウドと人工知能(AI)サービスの需要成長を見込み、インフラを整える計画だ。
グーグルは2007年にテキサス州オースティンに進出、ダラスやヒューストンにも拠点を構える。2019年6月に6億ドルを投じて、同社としてテキサス州で初のデータセンターをミドロシアンに設立。2022年6月からクラウドサービスのダラス・リージョンを展開している。2023年8月にはさらに6億ドルを投じて、同社のテキサス州2つ目となるデータセンターをレッドオークに建設すると発表、目下建設中だ。同社のテキサス州への投資総額は今回の計画を含めて27億ドルに上る。
テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)は、今回の発表が行われたグーグルのミドロシアン拠点でのイベントに出席し、今回の投資計画を大いに歓迎した。同氏は折に触れて地元テキサス州を「職のオアシス」と称し、ビジネス環境の良さを強調している。
ダラスと近隣地域には、グーグルのほかにもアマゾンやフェイスブック、通信会社のベライゾンなどの大手企業のデータセンターが集積し、「シリコンプレーリー」(注)と呼ばれる。
2013年成立のテキサス州法では、設備投資が5年で2億ドル以上、新規雇用20人以上、郡の平均給与の120%以上の給与支給などの条件を満たすデータセンターに対し、さまざまな支出にかかる売上・利用税が免除される。支出対象は電力、電気システム、冷却設備、緊急用発電機、コンピュータ、サーバー、ソフトウエア、機械・配管等システムなど多岐にわたる。
(注)西海岸のシリコンバレーと、テキサス州に広がる大平原(プレーリー)を掛け合わせた造語。丘陵(ヒル)が広がるオースティンは「シリコンヒル」、緩やかな河川(バイユー)が流れるヒューストンは「シリコンバイユー」と呼ばれている。
(キリアン知佳)
(米国)
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