ステランティス、財閥系販売会社を買収、直接経営に乗り出す

(モロッコ)

ラバト発

2024年08月01日

ステランティスは7月22日、プジョーやシトロエンのモロッコ国内販売店で王族系財閥グループ企業アル・マダ(Al Mada)の子会社ソプリアム(Sopriam)の買収を発表した。これにより同社はプジョー、シトロエン、DSオートモービルズ(DS Automobils)などのブランドの国内販売を統合し、目標とする国内シェアを22%以上(参考:2023年のプジョー+シトロエン+オペル新車販売シェア17.4%、出所:モロッコ自動車輸入者協会)とし、マーケットリーダーを目指す。段階的に株式を取得し、2025年までに完了する見込み。

ステランティスは、カサブランカに未来型モビリティーソリューションなどを研究するアフリカ・テクニカル・センター(ATC)を開設しており、モロッコのケニトラ工場の年間生産能力を2027年までに現在の倍の40万台にするとしている。また、2030年には100万台の大台に乗せたい考えだ。現地調達率も90%台に引き上げるとしており、有力国内サプライヤーの確保が今後の課題となろう。

今回公表されたモロッコ・ステランティスの概要は次のとおり。

  • 従業員数:5,192人〔主な内訳:(1)ケニトラ工場3,852人、(2)ATC(カサブランカ)エンジニア922人〕
  • 販売ネットワーク(59拠点)〔取り扱い車種:フィアット、アバルト、ジープ、アルファロメオ、プジョー、シトロエン、DSオートモービルズ、オペル〕
  • ケニトラ工場年間生産能力:20万台〔生産車種:プジョー208、シトロエン・アミ、オペル・ロックス-e、フィアット・トッポリーノ〕

(本田雅英)

(モロッコ)

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