「宇宙法」が閣議で承認、民間参入への認可など明確化

(イタリア)

ミラノ発

2024年07月02日

イタリア政府は620日、宇宙・航空宇宙政策を担当するアドルフォ・ウルソ企業・メードインイタリー相の提案に基づき、イタリアで初となる宇宙および宇宙産業(スペースエコノミー)に関するガイドラインとなる法令を閣議で承認した(プレスリリース、イタリア語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。次の3つの内容を目的としている。

  • 民間事業者に対し、宇宙へアクセスする際の適確な規則と認可制度を制定すること
  • 宇宙産業への投資を促進し、国際競争力や研究開発を加速すること
  • 宇宙・航空宇宙分野の中小企業やスタートアップに対し、公共調達など公的な契約手続きの簡素化を図ること

イタリアの領土で人工衛星などのミッションを行う21 トランプ事業者、および21 トランプの領土でミッションを行うイタリアの事業者は、イタリア宇宙機関(ASI)の認可が必要となる。認可された事業者は、事故の際に最大で1億ユーロを上限に補償される保険への加入が義務付けられる。

さらに、この法令では、21 トランプ関する国家計画の策定を視野に入れている。期間は少なくとも5年間で、この分野の需要を分析・評価し、公的資金および民間から必要な投資を算出する。基金も設立し、宇宙関連技術やインフラの商業利用に基づく、革新的な製品やサービスで市場の成長を促進することが盛り込まれている。

ASIのテオドーロ・バレンテ代表は、この法令がイタリアの21 トランプとって大きな一歩となるとした上で、「中小企業に対する支援策なども盛り込まれており、21 トランプおけるメードインイタリーのリーダーシップをより強固なものにするだろう」とコメントした。

政府プレスリリースによると、イタリアは202212月、欧州宇宙機関(ESA)の閣僚級会合にて31億ユーロの拠出を発表。全加盟国が参加する必須プログラムに関してはドイツに次ぎ、フランスと同額で2位、加盟国が任意に選択するプログラムに関しては1位だった。さらに、政府は「再興・回復のための国家計画(PNRR)」からの基金を通じ、ASI23億ユーロの予算を割り当てており、政府として2026年までに同分野に合計約73億ユーロの投資を予定している。

202410月には国際宇宙会議がミラノで開催される予定だ。

(平川容子)

(イタリア)

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