工作機械展示会「MTA Vietnam 2024」開催、前年より規模を拡大

(ベトナム)

ホーチミン発

2024年07月16日

ベトナム南部ホーチミン市で7月2~5日、工作機械展示会「MTA Vietnam 2024」が開催された。23カ国・地域から470社が出展し、来場者は4日間で1万5,552人となった。

同展示会は、産業機械の周辺機器や測定機器、各種加工部品などを取り扱う企業が出展するベトナム国内で最大規模の展示会で、20回目の開催となる。今回は展示規模を前年の1万3,000平方メートルから1万6,000平方メートルに拡大し、出展社数は前年の405社から65社増えたほか、多くのパビリオン出展がみられた(韓国5団体、台湾3団体、中国2団体、シンガポール、ドイツ、イタリア)。日系企業の出展は、主催者発表によると12社だった。

展示物は、前年に続き、工場自動化(FA)機器や産業用ロボットなど、トレンドに沿ったものが見られた。

ベトナムの景況感は上向きも、国内で地域差

出展した日系企業からは、ベトナムの景況感について、「2023年は厳しかったが、2024年に入り、少ししずつ上向きになってきている」との声が聞かれた。一方で、「上向きになっているのは中国からの移管の影響を受けている北部に限られる印象」「新規の設備投資を含めて、北部が中心」(工作機械メーカー)と地域差を指摘する声もあった。また、「北部では、ワーカーの採用の競争が激しく、人が集まらない」(工作機械メーカー)といった課題を挙げる声も出た。

地場企業などの自動化や省人化の需要については、「地場企業からも、自動化というワードが出るが、自社のプロセスのどこに課題があり、なぜ導入が必要なのか把握できていない印象。また、自動化装置を扱える人材の育成も課題」(機械系商社)、「安全よりも、コストダウンを優先する傾向」(工作機械メーカー)といった声も聞かれた。

円安の影響は大きく、ベトナム拠点の意義を問われる

また、日系企業の現地調達に関しては、「ある程度技術を持つ地場企業は、円安の影響もあって日系企業の発注額が安価になっているため、取引に消極的になっている」との声が複数あった(機械系商社など)。また、「円安の状況が続くと、日系企業は、製造コストを含め、ベトナムで製造する意味・意義を各社再考する必要があるのではないか」(機械系商社)といった指摘が聞かれた。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

(二神直毅、三木貴博)

(ベトナム)

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