米商務省と台湾の半導体企業子会社2社、最大4億ドルの助成金提供で合意
(米国、台湾)
シカゴ発
2024年07月23日
米国商務省(DOE)は7月17日、台湾の大手半導体製造グローバルウェーハズの米国子会社2社のグローバルウェーハズ・アメリカ(本社:テキサス州)とMEMC(本社:ミズーリ州)に対して、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて最大4億ドルを助成することで、これら2社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。今回の助成金拠出は、両州で総額約40億ドルの資本支出を伴うプロジェクトを支援することになる。
CHIPSプラス法に基づく助成金拠出の発表は今回で13、14社目(注1)。この助成は、新たなウエハー製造施設の建設を支援し、1,700人の建設雇用と880人の製造雇用を創出する。グローバルウェーハズが製造施設の建設をするのは次の2カ所。
- グローバルウェーハズ・アメリカ:テキサス州シャーマンに米国初の先端チップ用の300ミリメートル(mm)のシリコンウエハー製造施設を新設。
- MEMC:ミズーリ州セントピーターズに300mmのシリコンオンインシュレーター(「SOI」)ウエハーを生産する製造施設を新設。
DOEのジーナ・レモンド長官は「バイデン大統領は、原材料から製造、研究開発まで、半導体サプライチェーン全体でわが国のリーダーシップを回復させようとしている」とし、「グローバルウェーハズは先端半導体の基板となるシリコンウエハー(注2)の国内供給源を提供することで、米国の半導体サプライチェーンを強化する上で重要な役割を果たすだろう」と述べた。
DOEによると、現在、世界の300mmシリコンウエハー製造シェアの80%以上は、グローバルウェーハズを含む5つの大手企業が占めており、シリコンウエハーの約90%は東アジアから調達されている。
(注1)直近の12社目はローグバレーマイクロデバイシス(バイデン米政権、ローグバレーブラック)。
(注2)シリコンウエハーは、全ての半導体に使用される基礎材料のため、半導体のエコシステムで重要な部品。
(星野香織)
(米国、台湾)
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