2024年上半期のASEAN主要6カ国の訪日外客数、新型コロナ禍前2019年を超えて大幅に回復
(ASEAN、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)
調査部アジア大洋州課
2024年07月26日
日本政府観光局(JNTO)は7月19日、2024年1~6月(上半期)の訪日外客数(以下「訪日客」、注1)の統計を発表した(添付資料表参照、注2)。ASEAN主要6カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)からの訪日客数は、前年同期よりも増加し、特にフィリピンとタイが多かった。ASEAN6カ国の合計は215万7,500人に上り、世界からの訪日客数合計(1,777万7,200人)の12.1%を占めた。
国別にみると、タイが61万8,300人(前年同期:49万7,799人)と最も多かった。続いて、フィリピンが40万1,700人(同27万7,142人)、ベトナムが33万1,900人(同30万898人)、シンガポールが30万人(同25万2,703人)、インドネシアが26万3,800人(同20万1,656人)、マレーシアが24万1,800人(同19万4,252人)となった。前年同期の順位と比較すると、フィリピンがベトナムを抜き、2位に浮上した。
前年同期比(伸び率)でみると、フィリピンが44.9%増と最も増加した。続いて、インドネシアが30.8%増、マレーシアが24.5%増、タイが24.2%増、シンガポールが18.7%増、ベトナムが10.3%増とそれぞれ増加した。また、ASEAN主要6カ国合計では、2019年上半期を13.6%上回り、2020年以降で初めて新型コロナ禍前の水準を超えた。国別でも、タイを除く5カ国が2019年上半期を上回った。
なお、JNTOを所管する観光庁は、2023年3月に観光立国推進基本法に基づいた「第4次観光立国推進基本計画」を策定した。本計画はウィズコロナ・ポストコロナを見据え、2023~2025年度にかけて、日本の観光が訪日客数だけに依存せず、質の向上も目指した「持続可能な形での観光立国」になることを目指し、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」といった3つの柱を掲げている。
(注1)本統計における「訪日外客」とは、外国人正規入国者のうち観光やビジネス、駐在、留学などの目的で来日した入国外国人旅行者のことで、永住や乗員などの外国人は除く。
(注2)2023年の数値は暫定値。2024年上半期のデータのうち、1~4月は暫定値で5~6月は推計値(概数)。
(西村公伽)
(ASEAN、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)
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