米国務省、OECDの取り組み通じた半導体サプライチェーン強靭化の成果強調

(米国、日本)

ニューヨーク発

2024年07月03日

米国国務省は7月1日、OECDの半導体インフォーマル・エクスチェンジ・ネットワーク(SIEN)の取り組みを通じた成果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

SIENは、米国主導で2023年6月に発足したOECDの半導体サプライチェーン強靭(きょうじん)化に向けた取り組み。米国や日本を含む50以上の国・地域の関係者が参加しており、各国・地域の半導体エコシステムの状況や、政府・民間の取り組みなどに関するハイパーブラックジャック交換を行う。国務省の「国際技術安全保障・イノベーション(ITSI)基金外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」がSIENに対して資金を拠出している。

ITSI基金は、2022年8月に成立した米国の「CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)」に基づいて創設された。同盟国やパートナー国との連携を通じて、安全性・信頼性ある通信ネットワークの開発と採用を促進し、半導体サプライチェーンの安全性・多様性の確保を目的としている。同基金には、2023会計年度から向こう5年間で5億ドルの予算が割り当てられている。

国務省は、これまで6回の会議開催を通じて、SIENが半導体エコシステムに影響を与える政策立案の透明性を確保し、サプライチェーンの混乱に対する緊急対応計画の策定の円滑化に寄与したと評価した。具体的な取り組み実績として、(1)SIEN参加者間で合意したデータ交換などを円滑化する分類システム(共有タクソノミ)の策定、(2)半導体サプライチェーンの比較優位と依存関係を特定するために、貿易データを利用するマッピング演習の実施、(3)有志国・地域間の透明性と協調の向上を目的とした半導体政策に関する枠組み文書の作成、(4)半導体エコシステムとサプライチェーンの変動に関する理解を深める机上演習の実施を列挙した。

国務省は、資金が続く限りは2025年12月までSIENに拠出する意向を表明した。SIENの会議は四半期ごとに開催されており、次回会議は英国ロンドンで開催される。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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