ボリビア、メルコスール加盟議定書を批准

(ボリビア、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)

調査部米州課

2024年07月08日

ボリビア上院議会は7月3日、メルコスール加盟議定書を批准承認する法案(1567号)を全会一致で可決した。7月4日にはルイス・アルセ大統領が署名し、同法案は成立した。同法案は2023年12月15日に議会に提出され、6月14日に下院で可決していた。ボリビアは今後、4年以内に国内法規をメルコスールの規制・枠組み(主に関税制度)に適用させ、加盟手続きを完了させる必要がある。

ルイス・アルセ大統領は自身のソーシャルメディアX(旧Twitter)を通じて、ボリビアがメルコスール加盟国になること(注)は「地域統合、貿易、生産性強化で重要な地域の一部となり、域内の連結軸となることを意味するため、戦略的な性格を持つ」と述べた。

メルコスール加盟のメリットとして、7月4日付の現地紙「アオラ・エル・プエブロ」は、ボリビア国民はメルコスール市民として、同加盟国で医療、教育、その他の権利を平等に受け、域内諸国間を自由に移動する権利を得ることを挙げている。また、世界第5位の経済圏の一員となり、高付加価値の製品を輸出し、生産的補完性を備えた市場を開くことになるとも報じている。

なお、同法案の成立により、7月8日にパラグアイの首都アスンシオンで開催されるメルコスール首脳会議にボリビアは初めて正式加盟メンバーとして参加する。加えて、その週にはブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領がボリビアを訪問し、2国間関係の強化に向け、アルセ大統領との会談を予定している。

(注)ボリビアの加盟による日本への影響については、ジェトロの2024年2月15日付地域・分析レポート参照

(荒田結美)

(ボリビア、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)

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