6月の米ISM景況感指数は製造業、ブラック ジャック 勝率、経済の減速傾向を示唆
(米国)
ニューヨーク発
2024年07月05日
米国サプライマネジメント協会(ISM)は7月1日に6月の製造業景況感指数、7月3日に6月のサービス業(非製造業)景況感指数をそれぞれ発表した。製造業、非製造業ともに、基準値の50を下回ったほか、内容面でも米国経済の減速傾向をうかがわせる内容となっている。
製造業景況感指数は48.5と、前月(48.7)より0.2ポイント下落し、3カ月連続で基準値の50を下回った。ブルームバーグによる市場予想(49.2)にも届かなかった。
内容面でも、指数の構成要素の生産(48.5)、新規受注(49.3)、雇用(49.3)、供給(49.8)、在庫(45.4)の5項目が全て基準値の50を下回るなど、各指標はおしなべて低調だ。特に在庫の減少にもかかわらずに生産活動や新規受注、受注残の数値は低調で、2024年初に回復の兆しを見せていた需要が減速傾向にあることを示唆している。 ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長はレポートの中で、需要の減速に関し「現下の金融政策やそのほかの状況により、企業が資本や在庫への投資に消極的になっている」ことが要因との見方を示した。
業種別にみても、縮小と回答した業種の数(9業種)が拡大と回答した業種の数(8業種)を上回り、中でも産出額の大きい6大業種(注1)では、化学以外の5業種が縮小と回答した(注2)。縮小と回答した業種のコメントでは、「小売店や飲食サービスでは、もはや需要や在庫は安定的ではない」(食品・飲料・たばこ)、「顧客は短期間のうちに注文を削減し続けており、下位のサプライヤー全体に波及効果が生じている」(輸送機器)、「資金調達コストの上昇により住宅投資が減少しており、在庫を減らした」(木材製品)など、需要の減少を示す声が目立つ。
こうした需要の減少は非製造業でも同様だ。6月の非製造業景況感指数は48.8で、前月(53.8)から大きく低下するとともに、ブルームバーグによる市場予想(52.6)も大幅に下回り、2020年5月(45.4)以来の低水準となった。
項目別にみると、ビジネス活動指数(49.6)が前月(61.2)から大幅に低下したのが目立つ。同項目が50を下回るのは2020年5月以来だ。そのほかの主要項目の新規受注(47.3)、雇用(46.1)も50を下回った。
業種別にみると、全18業種のうち8業種が拡大、8業種が縮小と回答した(注3)。企業からは、「ガソリン価格の高騰とインフレやレストランのメニュー価格に関するニュースが絶えず、売り上げや客足が前年と比べて低調」(宿泊・飲食サービス)、「インフレは購入者と販売者双方にとって一般的な懸念事項。インフレが続いた場合、顧客に支出のための十分な裁量的な資金があるか疑問」(小売り)など、インフレによる消費の押し下げ効果を指摘するコメントが目立った。
また、製造業、非製造業ともに、雇用は低調だ。製造業では、レイオフ、自然減、採用抑制を通じて人員削減の動きが報告されている。非製造業でも、小売りや宿泊・飲食サービスなど、消費に近い部門での雇用縮小が報告されている。米国労働省が発表している失業保険給付者数も、6月は総じて上昇傾向にあり、米国経済の強さの象徴となっていた雇用情勢も減速傾向が強まってきたもようだ。
(注1)商務省の発表している2022年第4四半期(10~12月)から2023年第3四半期(7~9月)までのGDPの数値に基づき、産出額の大きい6セクターの化学、輸送機器、食品・飲料、コンピュータ・電子製品、一般機械、金属加工を指す。
(注2)拡大したと回答した業種は、印刷、石油・石炭、一次金属、家具、紙、化学、その他製造業、非金属。縮小したと回答した業種は、繊維、一般機械、金属加工、木材、輸送機器、プラスチック・ゴム、食品・飲料・たばこ、電気製品、コンピュータ・電子製品。
(注3)拡大したと回答した業種は、その他サービス、経営・サポートサービス、ヘルスケア・社会的扶助、建設、公益サービス、金融・保険、教育サービス、専門・科学・技術サービス。縮小したと回答した業種は、農林水産、不動産・レンタル・リース、鉱業、小売り、行政、卸売り、運輸・倉庫、ブラック ジャック 勝率。
(加藤翔一)
(米国)
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